愛とは何か。
愛されるとはどういう現象か。
愛される事によって産まれる感情とは…。
「 理想の白 」
女子美術大学卒業
金森遊美さん/駿河彩貴さん/にしだはるかさん
三人の女性によるインスタレーション/立体作品展示
WEST : 1-G にて公開中
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金森 遊美 " なもなも " ミクストメディア |
備え付けられた学校椅子の上に、
座っているのか?立っているのか?
丸くて柔らかい生物が目を閉じて佇んでいる。
" なもなも " とは方言で「いえいえ/どういたしまして」の意だそうで。
それを知った今、どっしり構えた彼の姿が
堂々としていて、またちょっと鼻高々なのかな?と思ったりする。
今作品は実際に触れることが出来ます。
(優しく触れてくださいね)
だるまのような形はマスコットのイメージに近く。
彼は私達自身(人間)とは切り離された別個の存在であると
認識させられた。
または、私達自身の一部が切り離されて、
その肉片と対峙する感覚といいましょうか。
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金森遊美/駿河彩貴/にしだはるか " 羨望 " ミクストメディア |
地面に配置された今作品の上には、
また異なる作品がございます。
" 羨望 "
硬質化した粘土によって形作られた
二十数体の立体作品。
光と影の折り重なりを複数の角度から楽しむ。
光を優しく蓄えて。
抽象的で尖りの無いなにかの手応えを感じる。
人の手の痕跡が深く残る素材が用いられたことで、
作り手の一挙一動が表面化している。
数十体は個々が独立した存在である。
彼らは円形に並び、
その中央部を大きく開けて、
何かを見上げ、期待し、崇める。
そして最後の作品をご紹介致します。
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駿河彩貴 " くすぐり " 針金、新聞紙、半紙、布 |
スペースの中央部、天井から吊るされた " くすぐり "
照明の強い光を外皮である布でまず受け止め、
その隙間から差し込む光が内部の実に届く。
針金で作られた芯の外側に、
もこもこと皮膚が広がる。
今なお、生成中であるかのようだ。
その外見と中身のギャップがまた、
柔なタイトルに対する刺激となる。
この部屋に飾られた作品達からは、
理想を追い求め、後ろを振り向かず、
がむしゃらに走っている印象を受けた。
時間をかけて対峙することにより、
鑑賞者の中に生まれるであろう、白く柔なものを
是非、捉えて頂ければと思います。
7/22(月)までの公開です。
(ぱんだ)