ひとつの大きな出来事。
それはいつだって特別なもので、いつまで経っても色褪せない。
小山さんはこれまでグループ展などで展示をされていました。
どの作品からも滲み出る独自のセンス。
緩急自在の筆運びからなる絵にはいつも脱帽させられます。
そして今回、初の個展。
当然のことながら、写真でお伝え出来るのはほんの少しです。
空間をデザインするかのように展示された今回の「かたちべや」は、
その空間に居座って初めて知ることが出来る体験型の絵画展とも言えます。
小山さんの作品の特徴は、まずその形。
目に入った瞬間、クエスチョンマークが頭をよぎります。
そのクエスチョンマークとどう向き合うか。
なんだろう、なんだろう、
考えながら見るのもよし。
すごいなあ、不思議だなあ、
感動しながら見るのもよし。
色の使い方もシンプル。
むやみに色を重ねたり、難解な技術を使うようなことはしません。
言うなれば、素材本来の味を生かす料理人なのです。
現に彼女は料理も趣味としており、
絵と料理はどこか似通ったところがあるのかもしれません。
今回のコンセプトを決定するに至ったのがこの1枚。
ある瞬間、ふと浮かんできた形です。
キャンバスの裏側を支持体にしたエアコンの絵。
どこかで手に入れた紙袋や、本屋さんでもらったビニール袋などなど
小山さんは用いる道具に縛られてはいません。
道具が何であれ、
“もの” が持つ潜在能力を引き出すのが小山さんの絵の力だと思います。
スローアートで賑わっているデザインフェスタギャラリーですが、
生粋のアート好きには避けては通れない「かたちべや」。
小山維子 Yukiko Oyama
1993年1月25日生まれ
出身地:宮城県仙台市
4/13(土) まで
是非ご覧ください。
--- けんや ---