東京の美大だけではなく、全国の美大へ通う学生たちが集まり展示会が行われました。
残念ながら全ての方にお話を伺うことは出来ませんでしたが、
とても内容の濃い展示でした。
今回はその一部をご紹介させて頂きます。
青木加奈、天川萌、家田実香、市ノ沢萌々子、尾野翠
加減真央、日下部岳、竹村麗良、平本恵理、平本有香
以上の10名からなる展示でございます。
湯気についての考察ということで、4枚連作として展示。
聞いたところによると、白く見えている湯気は気体ではなく液体なのだという。
それを注意深く観察し、四角形の中で表現しています。
実験的ともとれる木枠に塩ビ板を貼付けたものを支持体とするもの。
油絵による抽象画など、それぞれ表情の違う作品でまとめています。
まとまりのある作品たち。
どれも素晴らしいバランス。色。見栄え。
自室の壁面にぽつんと飾っておきたい。
いとしい作品が、崇高である必要はありません。
幼い頃の思い出のような
そんな不朽のあたたかさをもっていればいいのです。
殆ど線だけで構成された作品。
そこには立体が見えてくる仕掛けであったり、
見えないものを見せようとする試みがあります。
小さな作品の中に引かれた細い線が
多重の意味をもちながら相互作用しながら存在しています。
パイプのように見えるものはシュノーケル。
境界線に興味があるという彼女は、生命の境界線を表現しています。
そして、右上の覆面を被った絵は彼女自身であるとも言う。
本来あやふやであるはずの境界線の存在を
ここまで具体的に表現できることに感動すら覚えます。
黒い沼地のような場所を走る列車。
レールは円形で、延々と同じところを回り続ける。
瞬時に光など吸収してしまうであろう沼地を何の変化もなく
カシャカシャと音を立てて走る様はぞっとするほど異形です。
誰か乗っているのか?
走り続けてもどこにも辿り着かないのに、何故走り続けているのだろう?
展示期間は残念ながら本日3月24日までなのですが、
これからの彼女たちの活躍は要チェックですよ。
---- けんや ---