凛とした冬の空気を閉じ込めた写真が、
見えないグリッドにそって並ぶ。
桑野 志穂さんの個展
厚みのある黒フレーム
薄い白色の紙フレーム
二種類をうまく使い分けていらっしゃる。
シャープな尖り、角丸。
写真の形が与える印象に対しての配慮。
黒フレームに収まる写真はどれも、
ふと消えて強いそうなか細い情景。
作品とフレームが反発しそうに思えても、
不思議としっくりくる。
このどこかの景色たちは、強い黒に切り取られて、
"この部屋" にやってきたのだ。
対する白フレームはサイズも小さくて、
近くに寄らないといけない。
見るために、より必死にならなければいけない。
その行為を伴わさせるこちらの写真は、
どこか近しい場所であることを思わせる。
大きな理由を言語、言葉にせずとも
空気は身体にフィットする。
僕は経験してないけど、
真綿を敷き詰めたベッドの上に身を預ける感覚でした。
それを今展示に対する感想として。
12月16日(日) までの開催です。
(ぱんだ)