社会に出たばかり、あるいはこれから社会に出る人(これから芽が出る人たち)が集まった、「めばえ展」です。
本人が「めばえ」という趣旨なのですが、やはり作品自体も植物やこれから(或いは現在の新生活)の期待といった、芽生えを感じさせるものが多いです。
スペースの装飾が印象的な空間です。写真に写っているのは、出展者のMioさん、yuさん。実はMioさんとyuさん、それからこれから紹介するchizuruさんは去年「4人4色」展で一緒に出展をしていました。 その時の体験を踏まえ、今回は空間装飾にこだわったそうです。
4人4色の様子はこちら。
こちらも装飾の一部、綿で出来た雲です。中にライトが入っていて、光っています!
クリスマスのイラストも!
Mioさん 『これから』
うねうねと上に向かって伸びていく植物のようなものが、幻想的に描かれています。「(今回は作品全体を)明るい感じにしたかった」というMioさん。明るく、生命力豊かに伸びていく前面のものと、暗い色から次第に明るい色へと変わってゆく背景がMioさんの状況や精神状態を表しているようで、印象的です。
chizuruさん 『新生活』
こちらも明るい色彩で描かれています。絵の具の凹凸、筆の跡、掠れにも「新生活」における心境が伺い知れるように思います。塗り重ねられたその絵の具の下にはどんな色が、どんな気持ちが隠れているのか、そんなことを想像しながら鑑賞しました。
yuさん 『それでも』
yuさんは今回、動物の絵を三点展示出していました。ペンギンの生態に詳しくないのでこの行動が何を意味するかわからないのですが、人に置き換えると喉に噛み付いているようなポースと「それでも」というタイトルに、面白みと寛容さを感じました。赤い紙に描かれているところも目を引きます。
kenjiさん 『めばえ』
樹や茎、芽、葉、花などが天に向かってぐんぐん伸び、人や虫がうねうねと動き回っています。そして地下にはこれから地上に出るのを待つ生き物が。タイトル通り、ストレートに「めばえ」が伝わってくる作品です。
yukiさん 『花器』
花瓶やボトル、花の飾られたカップなどが描かれ、右上には実際に霧吹きに生けられた花が付いています。絵の中から実際に抜け出て、生命力を獲得したように感じられます。こちらからも上へ上へと伸びていく勢いが感じられます。
めばえやこれからと重ね合わせて、今年が終わり新年に近づいてゆく師走を感じた展示でした。
DF STAFF KOZUE