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ル 阿修羅 / インスタレーション


WEST : 2-C

"当たり前"という言葉は、実に狭い範囲の認識であります。
隣の家/家族/兄弟/他人/彼氏彼女
自らの境界線をまたいだら、そこは非日常の連続。

そうです、首をかしげたくなる出来事が平然と行われる世界の中で、
誰しもが生活しているのです。





DFG原宿では二回目となります、ル 阿修羅さんによるインスタレーション。
今回は「ダイニングルーム」が舞台となっています。

引きの景観を見ただけでも、しかめたくなるポイントがちらほら。
テーブルを起点に右回りで順にご紹介致しましょう。



壁をぶち抜いて、この部屋を覗く人物。
双眼鏡をとりこぼすほどに驚いている。
この部屋が異常であることを表明する場面でもあります。


壁面に飾られた、結婚式で撮られたであろう写真。
新郎新婦、皮膚が全て黒く塗りつぶされている。

ここから部屋に散らばるヒントを拾い集め、
答えを探り当てて行く作業に入るわけです。

この写真は、謎でありヒントであります。
例えば、塗りつぶした箇所であるとか。


サイドテーブル上に置かれたのはお弁当とカトラリー。
お弁当の中身はあろうことか、猫の餌。
この家の主人は猫なのかしら?
でもおかしい、猫はフォークもスプーンも使わないはずだ。
というか、使えないだろう、多分。


足元の編み籠の中。

本「動物のお医者さん、家計簿」
爪とぎ、ねずみのおもちゃ。

ますます、主人は猫疑惑!高まって参りました。


お、スケッチブック発見。
二足立ちしている猫スケッチ・・・。
こ、これか!答えはこれなのか!


なーんて風に、状況を享受するだけでなく、
観察する側に回ってみてください。
間口がとても広くとられているから、
子どもであっても現場を楽しむことができるはず。

推理ゲームとして楽しむのもいいだろうし。
それが終わったら、この空間が作られた理由を掘り下げてみて欲しい。



「ダイニングルーム」に存在する日常と自身の日常を比較する。
そして表出するであろう、不可視の境界線。

この境界線が生む認識は、個々の人間が生きるにあたって、重要な指標です。
あまりにあたり前になっていて、過ぎ去ってしまうこと。

展示を通して、振り返ってみてはいかがですか?


展示期間/2012年02月01日(水) ~ 2012年02月03日(金)

(ぱんだ)