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猪狩健太郎『いつか見た空』


Smile CameraMan マノ ユキオさん、猪狩健太郎さん。
WEST : 1 - F の一室でお二人の写真作品が展示/公開中です。

今記事では、猪狩さんの展示風景をご紹介致します。


猪狩さんの作品/展示風景からは受ける印象は、
「シャープな線」と「ほんの僅かの丸み」

プリントされた用紙はマット紙でありまして、
頭上から降り注ぐ照明光を浴びても照り返しが起きません。
そして、その光は、作品に蓄えられる。


蓄えられた光は、対面する観者に向けて、
時間と共に注がれます、
じんわりと芯からのぼる暖かみは、日光浴に近いかもしれません。
この点から受ける印象が「丸み」


作品仕上げだけでなく、設営にも丁寧な技が光る猪狩さん。
私もカメラ片手に展示風景を撮影しているわけですが、
縦/横のラインを意識せずにはいられなくなる!
それほどまでに慎重で丁寧な痕跡が見えるのです。

写真が作り出す影さえも美しいと思ってしまうのだから。


今回、写真モデルを担当して下さっているのは、桑名 千愛さん。

私が猪狩さんの作品から受けた印象を、
そのまま体現しているかのようで。
互いが歩み寄ったからこそ、
この場所で、この風景を記録することができたのでしょう。

風景から浮き上がることなく馴染んでいらっしゃる。
そして、空気さえも充足している。


「いつか見た空」

いつか、とは確かな時間を指し示すものではない。
曖昧な地点をそれまた曖昧な視点で切り取ったものであります。

「それ」を写真で捉えようと試みた今展示。

でも、もしかしたら、そこまで堅苦しく考えない方が良いかもしれない。
if は身軽になる為の方法でもあるのだから。

皆様には、私みたいに頭でっかちにならず、
頭を空っぽにして、手探り感覚で、作品に触れて欲しい。
会期前半ということで、一部作品のみをピックアップ致しました。
全作品は是非、会場でご覧下さい。


2012年01月26日(木) ~ 2012年01月31日(火)

(ぱんだ)