ブログが探せなかったのですが、一昨年にも一度アートピースでセルフポートレートの写真集を展示していたことを覚えています。そのことも併せてお話しがしたかったのですが、残念ながら叶わず。
「セルフポートレイト」ではなく「マイセルフポートレート」
敢えてつけた「マイ」に私や自我の存在の主張を感じます。
シャッターを切る一瞬一瞬に「私がここに存在する」ことを証明し(ようとし)、切り取り続ける作業。その蓄積で展示が成り立っています。
アラーキーの写真がきっかけで、自分を表現する手段として写真を選んだと会場内に書いてあります。
「作品」か「私小説」か。
そんな問いは置いておいて、見てもいいのかと一瞬ひるむような、そんな生々しい写真を誰もが撮れるわけではないと思います。がむしゃらに自分と向き合おうとして、さらけだして、見て欲しくて、でも本当は秘密にしたかったり時々逃げ出したくなったりして、そんな過程を赤裸々に写真で綴り続けているように私には感じられました。
夜に家の近所で撮った写真でしょうか。
これもありふれた風景やのぼりなどが、生々しい空気を纏っていて、そこが持ち味になっています。
顔だけではなくて、くるぶし、絆創膏を貼った指(或いはにじんだ血のしみ)、喉元、そうしたパーツも撮って、切り取って、貼りつけて、「マイセルフ」の輪郭を描いていきます。
コラージュしてある写真の一群が印象に残ります。
他の写真と比べて、加工を加えるという一手間があるだけに、生々しさが薄れているというか、写真の中の「マイセルフ」との距離感や冷静な視線さえ感じられるように思うのです。
今回の展示はセルフポートレートですが、今は自分以外を撮ることもあり、ファッションフォトに興味があるというふぁぎーふぁぎーさん。
「マイセルフ」を切り取って晒し、見る人に「何かを感じて欲しい」という今回の展示を経て、彼女が今後どのように何を撮っていくのか、今回の展示は今後の彼女にとってどういう位置に収まるのか、それをいつか知れたらと思いました。
今回展示していない写真や日記なども見れますので、是非。
http://alpha.bccks.jp/dept/figyfigy/mybcck
DF STAFF KOZUE