バナーエリア

このブログを検索

もり 『集めて、集めて、』


EAST : AP-3

小品をいろんな所から集めて集めて、
アートピースという小さい壁面に飾りました。

そんな、もりさんによる展示です。

展示コンセプト

「集まると模様のように見えて、でもすべてが同じではない、
そんなイメージなったらいいな、なんて」


壁にかけら作品は、程良くラインが揃えられてはいます。
あくまで「程良く」なのが、もりさんらしい。

キャンバス、黒/シルバーのフォトフレームの組み合わせと、
淡いカラーがポップな作品を想像させますが。
注視すると、徐々にズレが生じてきます。
この"ズレ"がもりさんの作品の軸なのだと思っています、勝手に。



うさぎ "っぽい" 生物

個々、表情が異なっています。
列をなしている最中をざっくり切り取っている画。
綺麗にフレーム内で収めない点にも見える、らしさ。



ポップな画では隠しきれないほど、
高い純度/粘度を持つ感情の溜まり。
シアン系統です。

それは表面に貼りつくという所ではなく、
作品の底に泥溜まりをつくる。
徐々に身を蝕んでいき、気付いたら侵されていた!
そんなことにも成りかねない。

恐らく、「感情の溜まり」の具体的な名前/形に関して、
未だ特定はなされていないのではないでしょうか。

観賞することで襲われる、刺すような痛みが未だ無いから。
ただ、その矛先を見つけ、鋭利に尖らせる必要があるのかはわかりません。
わからないまま
純度を高めて/色々なものを混ぜて、新種の薬品を創り出してしまうのも面白い。

でも、観ていて危ういなとも思う。
前述したように、ポップさで飾られているけども、
悩み、迷いで満ちている作品ばかりだから、
それを許容する身を持たなければ、いつかひび割れてしまいそうで。

ぱっと見て、明るいものこそ、危うい。
終わる前の必死な笑顔みたいに。


会期初日、ベルリンからいらした女性が彼女の作品を一枚購入しました。
じーっと食い入るように眺めたのち、一枚を手に取りました。
作品にはタイトルがつけられておらず、文章による解説は一切ありません。
純粋に作品のみを観賞し、彼女は何を思って購入したのか。

是非、時間をかけて考えて見て欲しいなと思います。

展示期間は今週土曜日までとなります。
購入したい作品が御座いましたら、展示スペースに掲示してある
彼女のメールアドレスまで、是非ご連絡ください。


(ぱんだ)