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KNAP


EAST:201で開催中「KNAP」
モノクロに落とし込まれた写真展です。
展示方法、空気感ともにシックな装い。
それがスペースにも馴染んでいました。

モノクロ、セピア。
色の情報が失われていく中でも失われないもの。
それどころか、魅力を際立たせるものがあったりします。

それは私たちの視覚における非日常だからなのか。
情報が削がれることで、意識の焦点が明確になるからなのか。


僕が一番好きな写真は左下の一枚。
「おんなのこと、ひるさがり」-田中 美都紀さん-
拡大しないと確認できないほど、細い走査線が数本、横切っているのです。
そのノイズと褪せた色調とずれたピント。
複数の要素が絡まり、なんとも言えない味でした。
なんだろうこれは、おいしいのだけど、うまく言葉にはできない。

以前、人生初の貧血を経験して、その際、視界がモノクロになりました。
何せ、初めてのことでしたので、このまま倒れてしまうのかななんて思ったり。
それは僕にとって非日常で、苦痛だったけど、刺激的で。
一生忘れられないであろう経験。
そんな経験を間接的にでも写真は与えてくれる。

カメラで、写真で、何を切り取りたいのか?
この絞りさえ掴めれば、貧血のように刺激的な世界への入り口を、
映し出すことができるかもしれません。

是非とも感覚の一歩先を探ってみて下さい。
ありがとうございました。