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【DFG版画展】展示レポートPart.2

 

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版画展
2020.10.11(日)〜 10.16 (土) 1週間
DESIGN FESTA GALLERY EAST 302
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なぜ版画なのか!? 版画の魅力を発信する1週間。

デザインフェスタギャラリーが版画表現にスポットを当てる展示会を開催します!
彫る / 削る / 貼る / 重ねる / 腐食する / 感光する 
さまざまな手法と工程を経て生み出される版画独自の線、色、形は、
今も昔も私たちを魅了しています。
本企画では、数ある表現から「版画」という方法を選び、
その魅力と可能性に挑戦する出展者計10組が展示予定です!

こちらのブログ記事では『版画展』に出展する作家10組中5組( EAST 302「F」〜「J」)の作家による作品をご紹介いたします。

F.黒鷹司

G.加納立彰

H.キンランシン

I.永田悠馬

J.aaru project

『版画展』展示レポート
♦︎Part.1はコチラ

F:黒鷹司


消しゴム判子作家として活動されている黒鷹司さん。消しゴム判子の作品とは思えないほどの細かな表現で動植物を描かれております。版画ならではの色彩グラデーション。美しく渋さのあるカラフルな色彩を楽しめます。



動物と植物が美しく絡み合っていて、一つの文様にも見えます。鋭いシルエットがところどころにあり、その形がカッコ良さに繋がっています。版画特有の掘った時の鋭さを生かしたものなのかもしれません。平面作品だけではなくパーカーやバックも作られており、お出かけに身に付けていくこともできますよ。

G:加納立彰


シルクスクリーンで制作されている加納立彰さん。幾何学模様の組み合わせで構成された作品は気持ちの良い風が吹いているかのような爽やかさを感じます。大きな作品は糸巻きをモチーフに制作されています。加納さんにとっては糸巻きは身近にあるものなのだそうで糸が束になった状態の形に魅力を感じたそうです。



今回の作品は「モアレ」という現象を用いて表現されています。モアレとは点や線が幾何的に規則正しく分布されたものを重ね合わせるとき生じる干渉模様です。表現方法によっては、意図しないモアレの発生を阻止しなければなりませんが、加納さんはこの模様を巧みに操り、束になった糸を表現し、複雑で面白い作品に仕上げています。

H:キンランシン


版画に刺繍を施す珍しい作品を制作されているキンランシンさん。不思議な空間感を表現されており、通常の風景だけではなく、物体の重なりによって遠近感を出す空間表現もされています。魚類が描かれた作品は、鱗や目、波など連続した細かな模様が並び、ところどころに施された刺繍がアクセントになっています。



こちらは筒の中に切られた版画が何枚も重ねられた作品。筒の奥を無意識に覗き込んでしまう魅力があり、謎めいた作品です。絵本の中に入ったかのような世界観で、ワクワクしながら鑑賞することができます。

I:永田悠馬


インパクト大な作品を展示している永田悠馬さん。普段はリトグラフ作品を制作されている永田さんですが、今回は版画展に合わせて別の角度から版画を表現されており、街で見かける広告ポスターを作品として展示されています。これは、街中にあれば広告としてしか認識されないものをギャラリーという場所で展示したらどのような捉え方をされるのかという、とても挑戦的な展示となっております。



他の作品と並ぶ姿は、広告という見え方ではなく作品として壁面に存在しているように感じます。作品が在る場所によって捉え方が変わるというのは、不思議ながら普段も起こり得ることです。この作品は、版画作品でもありインスタレーション作品とも言えるでしょう。

J:aaru project


写真を用いて版画作品を制作されたaaru projectさん。今回は、普段制作されている作品とは違ったアプローチで挑戦したとのこと。抽象的な作品が多数展示されており、1点ずつじっくり見ていくのも、1度に全体を見る楽しみ方もできる作品です。



版画作品は透明なパックの中に入っているので、平面的な作品と言うよりは立体作品に近く、パックの中の空間も作品の魅力となっています。このパックは塗装を施してはいるものの、元は大量生産された既製品。あえてこのようなモノを使うことで、昔から大量生産する際に用いられた技法の一つである「版画」を表現されています。


『版画展』は10/16(土)まで開催中!

下記より展示レポートの続きをお楽しみください!
展示レポートPart.1はコチラ

👇作家一覧👇

staff:Chi