nanae tahara
『Permanent Blue』2019.11.6 - 2019.11.12
at WEST 2-D
前回の個展『daylight』から約1年半。
再び弊廊でnanae taharaさんによる写真展が開催されています。
ドキュメンタリーというよりもノンフィクション、音楽を表現する人たちのそのままを写した愛のある写真が並んでいます。
君は いつまでも青く
何年たっても
いくつになっても
青くいて欲しい人たちがいます
バンドマンとひとくくりにして呼ばれてしまう彼らと
どうにも彼らを眺めていたい私の話
今回の個展について、taharaさんはこのように綴っています。
作家を取り巻く日常の「光」を捉えた前回の展示から、本展ではより私写真的なアプローチで人物を捉えた写真が並んでいます。
日頃ステージに立つ彼らの姿を収めてきたtaharaさんは今回、ステージ上では見ることができない表情を捉えています。
ぐっとこちらに視線を向ける人、遠く何かを眺める人、笑みを投げかける人。
日々彼らと彼らの音楽を追い続けているからこそ、それぞれのキャラクターが写真に現れているのだろうと思います。ライブ写真でなければ、音楽雑誌やwebメディアのインタビュー写真とも違う、taharaさんにしか残すことのできない距離感が鑑賞者にも伝わってきます。
今回展示されているポートレイトは、ライブ当日の本番前後のわずかな時間で撮影したのだそう。ステージを降りているからとはいえ、一定の緊張感が垣間見えるのはそのせいもあるかもしれません。完全にスイッチをオフにしているのではなく、表現者としての佇まいがそこにはあります。
数多く並んでいるポートレイトに、時折日常のスナップが挿入されています。
これらは日々撮りためていたものや、この日の撮影の流れで撮ったもの。
前回の展示でも「ライブの写真も日常の写真もすべて自分の日常の中にあるもので、そこに境界線はない」ということを仰っていて、こうした日常のスナップも、この写真たちがすべて地続きであるということが示唆されています。
展示されている作品や、それ以外の写真が収録された写真集が会場で販売されています。
撮影中、その様子を眺めている他のバンドメンバーに気が行ってしまったりしているような、和やかな撮影の雰囲気が写真に残っているようなカットもあるのだとか。より奥行きが伝わってくるような写真集です。
また人物の写真と日常のスナップが見開きに一つずつ配置され、それぞれの色や光と影の具合などが遊び心をもって揃えられていて、ページをめくるたび発見があります。
展示は11/12(火)まで開催されますが、会期中の11/10(日)にはなんと、taharaさん企画のライブが開催されます。今回モデルとなったバンドも出演するとのことなので、展示を見て彼らに興味を持った方はライブを見に行くことをお勧めします。
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nanaetahara pre.
"Permanent Blue"
11/10(日)
@沼袋Section9
act:
the arounds
DDMD
SaToMansion
nebula
open 18:00/start 18:30
ticket ¥2,500+1d
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nanae tahara
1993年生まれ
多摩美術大学 美術学部 グラフィックデザイン学科 卒業
大学在学時より、ミュージシャンのライブ写真やアーティスト写真などを担当しはじめる。
そのかたわら、個展を開催するなど作家としても活動。 また写真だけにとどまらず、グラフィックデザインやムービー制作なども手がけている。
【使用スペース:WEST 2-D】