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舞綾 『FREEDOM EXPRESSION 2』


舞綾『FREEDOM EXPRESSION 2』
2019.6.21-2019.6.23
[WEST 2-C]

2009年のうららかな桜の季節。
ちょうど10年前に舞綾さんはこの2-Cというお部屋で個展を開催されました。
現在でも写真を撮り続けていらっしゃる舞綾さんが、節目となるこの年に、改めて同じ場所で個展が開催されます。



まず目に飛び込んでくるのは、ポップでロリータな印象漂う作品群。
こちらは元となったイラストを実写化するといった試みで撮影されたものだそう。
原画こそ展示されていませんが、写真が醸すリアルにしか引き出せない魅力に気付かされます。



こちらも同様にイラストを元に撮影された作品群。
こちらはアジサイをモチーフとした二人の女の子が印象的に映されています。
衣装やお菓子などは、モデルさんご自身で作られたものだそうで、その世界観がより濃縮されて映ります。
先ほどのポップな写真とはまた違った透明感のある写真の数々に、どこか神秘的な印象を与えられます。



反対の壁に目を向けると広がるのはモノクロの世界。
こちらはモデルの女性が「30歳になる節目に自分の頭の中を表現したい」という依頼から撮影されたものだそう。
モノクロの中に映える鮮やかな花々の色。
少し物悲しい印象もありつつ、色が物語るものは希望のような、愛情のような。
様々なストーリーを彷彿とさせる心象表現に心を動かされます。



お隣に展示された写真の数々は、舞綾さんのプライベートの中で撮影された「式日」の記録。
友人の結婚式、お知り合いの卒業記念、甥の七五三など、様々なシーンの中でも、
皆がスマホを向ける中、「自分にしか撮れない」記録としてシャッターを切っているそう。
中央に映るこちらの一枚は、友人の結婚5周年の記念に撮影されたというもの。
もともと別の撮影で使用されたというキャンディポップ型の花束を夫妻に持ってもらい、撮影されたそうです。
夫婦の手からは、感謝と愛情がたっぷりと感じられ、優しく穏やかな空気に包まれていたことが想像されます。



そして、貴重なポートフォリオも。
こちらは2009年の3月、デザインフェスタギャラリーの全く同じスペースで開催された、舞綾さん手作りの初個展の記録ブック。
こちらは手に取ってご覧いただけるそうです。



現像されたフィルム写真とともに展示中の記録が収められており、当時の感情や出来事が赤裸々に記されています。
紙が少し劣化していたり、貼られているテープが剥がれて跡になってしまっていたり。
しかし、10年前の大切な3日間の記録が丁寧に丁寧に、手に取れる形で残されていました。
そして、当時のギャラリーは壁に直接ペイントできたり、そして出展者自身が壁を塗り直したり。
ギャラリーの記録としても大変貴重なものを拝見させていただきました。

様々なテイストで写真を撮影されている舞綾さん。
撮影されるジャンルは多岐に渡り、「自分の撮りたいものを撮る」というポリシーが彼女の柔軟性を遺憾無く引き出しているのではないかと感じました。
そして、誰かのために美しい写真を撮り続ける舞綾さんの意志の輝きで満たされた空間でした。

本展は6/23(日)まで。

皆様も是非、舞綾さんの10年前の記憶と現在を照らし合わせてみてはいかがでしょうか。

URL:https://mubuki.wixsite.com/muryous-album



<スペース詳細はこちら>

[WEST 2-C]

staff kome