早稲田大学写真部 慶應カメラクラブ
『早慶展』
2018.12.7-2018.12.10
at EAST 201, 202
早稲田大学写真部と慶應義塾大学カメラクラブ、歴史ある二つの大学の写真団体による定期写真展『早慶展』が今年も開催されています。
早稲田大学写真部は100年以上、慶應義塾大学カメラクラブも90年以上と、かのマグナムフォトよりも歴史のある二つの写真団体による写真展がこの『早慶展』です。
各大学とも特にテーマは設けず、自由制作という形で作品を展示しています。
こちらの写真は早稲田大学の高橋正虎さんによるモノクロのストリートスナップ。
おそらくハロウィンの喧騒を収めたものと思われますが、全て暗室作業によるモノクロの銀塩プリントなのだそう。展示の仕方もあえて額装はしないことで、喧騒の最中にいるリアリティーと躍動感が直に伝わってきます。
続いては慶應義塾大学カメラクラブより永瀬 巨海さんの組作品。
これ5カットだけなのに、なんだかその場の空気が伝わってくる気がしませんか?
街の風景と人物の写真がうまくミックスされていて人物の写真もポートレイトというよりはスナップの延長線上、一つひとつの写真がカメラで撮ったというよりも肉眼で見た景色が頭の中でフラッシュバックするような感覚。ショートムービーを見ているみたいですね。いくつもの要素が重なってリズムのある軽快な作品となっています。
再び早稲田に戻ります。
またしてもモノクロの作品ですが、早稲田大学写真部は昔からモノクロのストリートスナップを撮る人が比較的多い印象。
植木直輝さんによるこちらの作品もそんな流れを汲むストリートスナップの作品。
偶然かどうかはわかりませんが、同じ早稲田大学写真部に在籍していた写真家・新納翔さんも『Peeling City』=都市を剥ぐという写真集作品を発表しております。
壁面展示の他にブック作品もあるのですが、見開きのページに隣り合う写真の並びにも注目です。いろいろな発見があって面白いですよ。
最後に慶應義塾大学カメラクラブの藤田 智大さんの作品。
2カットのみですが、なんでもない瞬間だからこそ鑑賞者の記憶のどこかにあるイメージとチャンネルがつながるような、ぼんやりとした断片的な写真です。
右上の写真は人物にフォーカスが、左下の写真にはその向こうにある群衆にフォーカスが合わせてあるため、鑑賞者の視点が誘導される仕掛けになっています。
またそうやって撮影者と同一の視点に誘導することにより、鑑賞者には当事者としての視点が生まれ、「記憶のどこかにあるイメージとチャンネルがつながる」感覚が呼び覚まされます。
両校共に組写真が多く、どの作品も非常に考えさせられる力作となっています。
明日までの開催となりますので、ぜひ足をお運びください。
早稲田大学写真部
http://wps.lomo.jp/
慶應義塾大学カメラクラブ
http://www.keio-camera-club.com/
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EAST 201
EAST 202
staff isaka(早稲田大学写真部第103期OB)