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長谷川笙子・梅澤秀 『(濃厚に)絡み合う展』


3月26日(月)-3月30日(金) WEST : 1-G で展示して下さいました、
長谷川笙子・梅澤秀 『(濃厚に)絡み合う展』

当日のご様子をお伝えしたいと思います。
ご紹介が遅れて誠に申し訳ございません。


東京藝術大学デザイン科 / 長谷川笙子さん
武蔵野美術大学工芸工業デザイン科 / 梅澤秀 さん
お二人の合作が今回の主な展示作品となります。


線/構成を担当されたのは長谷川さん、
配色/模様の配分は梅澤さんがそれぞれ担当。

"お互いの得意分野を生かしつつ 一人のときにはできないような画面作り"

互いの身を束縛するような制限は設けず、
必死にアウトプットした何かを、
必死に画面に産み落とすという作業の連続。


遠慮の無い、攻めのグラフィックの応酬です。
出来上がった作品を、何かに応用しようとはせず、
とにかく画作りに注視されています。


長谷川さんの紡ぐ線は微生物のように呼吸をしています。
ポートフォリオには筆ペンで描かれたらしき生物の数々がありまして、
静物画においても、単細胞静物のような動きが伺えました。

ここでの単細胞というのは、思考が人間のように満足に働いておらず、
生命活動を第一に取り行ない、自制さえも満足にきかない状態のこと。

ここで四肢を動かせる自由を与えてしまうのは、
ちょっとファンタジー過ぎると思うのです。
単細胞、この加減でアウトプットするさじ加減にこそ、
ゾクゾクしませんか?


最終的な統率を取り行なうのは梅澤さん。

単独行動/群れから率先して離れてしまいそうな長谷川さんの描写を
どうやってグラフィカルな形に落とし込むのか?
それが今展示の見所でありましょう。

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梅澤さんは複数の作品に幾何学模様を取り込んでいます。
既に大衆に認知されている図記号(矢印、マーク)は避けて。
ポピュラーになり過ぎないよう細心の注意を払いつつ。


結果、明確な意味を与えない/与えにくい画が出来上がります。
勿論、ヒントになるタイトルなんて生易しいものはありません。

意味を見い出す なんてクイズみたいなことはせず、
もっと根源的に、グラフィティーを俯瞰してもらって、
観者に、丸呑みにしてもらって、味わってもらおう。

必要な調味料を沢山居れて、何が入ってるとかはどうでもいいからさ、
美味しいかどうかだけでも聞かせてよ。

細密な過程を経て、出来上がったごった煮。
それはややこしい考えを抜きにして、
味わうべきなのだと思います。


(ぱんだ)