莉生。
『Rebirth』
2022.6.2 - 2022.6.4
[ WEST 1-G ]
めくるめく思い出。彼女の見たもの、感じた空気、温度や光。
写真を通して伝える景色。
誰しもが一度は見たことがあるような、見慣れた街の景色。
道端に咲く小さなお花や、雨に濡れたガラスを通して見る街並み。
なんの意味も持たず当たり前に存在する景色ですが、時にその景色はなにかを思い出させ、悲しい気持ちになったり、楽しい気持ちになったり。
人に会いたくなったり、故郷を思い出したり、私たちを揺さぶります。
レトロな表情が、より思い出のワンシーンのような印象を与えます。
それぞれの写真には作家さんの思い出が詰まっているのか、それともただの何気ないひとときに過ぎないのか。
物語を想像してみます。
ぎっしり並べられたチェキの写真は、まるで日記のよう。
広い空の写真が時に印象的でした。
自分がちっぽけな存在なんだ。と思わず思ってしまうほど、美しく壮大で、でもどこか寂しげのある写真。
自然と建造物が織なす美しい景色は、まるで絵のようにも見えます。
今の時代、スマートフォンなどで簡単に撮影することができて、「映え」という言葉が生まれるほど身近な存在になった写真。
しかし、自分のことに夢中で、忘れてしまい、見落としてしまいがちなものがたくさんあります。
雨粒の輝きや、花びらの儚さ。
道端に咲く花を見たり、大きな空を見上げて見たり、感動できるものが身近にあるのだと。
作り込むわけでもなく、自然のなかに自分が見つけたものを収める。
もっとゆっくり歩いてみようかな。
莉生さんの個展を通し、そんなことに気づかされたような気がします。
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STAFF ALISA