ろ子 えのき
『蛇腹道』
2022.4.22 - 2022.4.24
[ WEST 1- F ]
コラージュ、写真、絵画。今を生きる女性のリアルな声。
日常の生活を切り取った飾らない彼女たちの姿、繊細さの中に強いエナジーを感じます。
部屋中に飾られた写真たち。
子供のようなあどけない笑顔、こちらを誘うかのような大人びた表情。
私たちは常に一歩一歩確実に、大人への階段を登っています。
大人になる上での葛藤、もがき苦しみ、時には思いもよらぬ行動をとってしまったり、本来の自分と社会の自分が戦い始める。
そんな彼女たちが、己をさらけ出し「リアル」な自分を見せる。
女の子から女性へと変化していく心境を、写真や言葉を通して感じることのできる展示となっています。
昔から絵が好きで、写真は最近始めたのだとか。
えのきさんの撮る写真は、リアルな目線が特徴的。
自分がそこから見ているように錯覚してしまうような目線で、彼女たちの日常生活に参加しているように感じます。
お二人の作品、表現方法は全く違いますが、どことなく作品の雰囲気が似ていて、お二人が持つ感性や心境の近さを感じます。共感しあえる仲なのではないでしょうか?
今回の展示では、作品に書かれている文章もかなり印象的でした。
誰しもが感じたことのある感情を、言葉として読む。
写真や絵画の抽象的な表現と異なり、言葉はまっすぐに伝えることができます。
淡い表現とまっすぐな表現の二つが一緒になることで、より心に響き、人の心に入っていくのではないでしょうか?
展示されている言葉の作品は、ろ子さんの作品。
一方、言葉で表現するのが苦手だというえのきさんは、絵で表現することが好きだそう。
ろ子さんとえのきさん、双方が持つ異なる表現がお互いの表現に、さらに深みをもたらせているように感じました。
展示のテーマなどお伺いしているうちに、お互いが過去に感じた心境など、思わずさらけ出した心の声をお話ししてしまいました。
ろ子さんやえのきさんのさらけ出した姿を見て、刺激を受けたのでしょうか?
初めてお会いしたとは思えないような波長で、いろんなお話をさせていただきました。
自分の深い心の中や人生で経験したことを語るのは、実は難しいことだと思っています。
プライドや理性が邪魔してしまうことが多い。
しかし、さらけ出す彼女たちの姿は、私たちに学びそして勇気を与えてくれます。
彼女たちの人生を知ることで、また自分の人生を見つめ直す。
刺激的ながら、繊細で儚い彼女たちの姿。
「生きている」を感じます。
特にいろんな思いを感じる、同世代のみなさまに見ていただきたい展示だと思いました。