学生照明展2021
『change』
2021.3.14-2021.3.16
at EAST 301, 302, 303
学生の制作する照明器具が全国レベルで集まる大規模な展示会『学生照明展2021 change』がEAST館3Fで開催中。
ある作品はインテリア照明として、ある作品は光を使ったコンセプチュアルなオブジェクトとして、多種多様な作品がずらりと並んでいます。
高校から一般大学、美術系大学まで幅広い範囲の学生が集まり、オリジナルの照明作品を出品している今回の展示。主催である学生照明展実行委員会は、「照明のあり方」について社会に発信するための団体で、第一線で活躍する建築家やデザイナーの方々を審査員に迎え、公募形式で展示会が行われています。
こちらは樹木の年輪をイメージした「NEN RIN」という作品。
金沢美術工芸大学で学ぶ熊野ももさんは「変化を恐れない美しさ」とうコンセプトから、甥の証である年輪を堂々と刻む樹木をモチーフとして作品に落とし込んだのだそう。
円状に重なった年輪が影を作り、ほのかで優しい明かりを落としています。
展示は3つのスペースで展開されており、コの字型に順路が作られ各部屋とも10数点の作品が展示台に設置されています。
EAST 301を順路を辿って突き当たりにある作品がこちら。
煌々と神秘的な光を放っています。
秋田公立美術大学の中川 舞さんの作品。
水気に触れると風化が起き形状が変化していくという、化学変化を利用したもので、自然物のような存在感があります。
就寝時や気持ちを落ち着かせたいときになどに、ほのかに光を感じられるような神秘的なデザインに仕上げたとのこと。まるで古代からある洞窟の奥で発掘された発光石のようです。
石井珠樹さんの作品は、漁火光柱の現象を応用した遊び心ある作品。
これは漁船が放つサーチライトの光を空気中に漂う微細な氷晶が反射し拡散することで生まれる光の柱で、こちらの作品はその現象をアクリルパイプ、釣り糸などを駆使して再現したものになります。
これだけ美しい形を描いているのにも関わらず、仕組みは単純。
光源は底部に円状に設置されたLEDテープのみなのです。
前述の中川さんの作品と同様、なんだかとても心を穏やかにしてくれそうです。
続いては、照明を形作る素材に注目した河野 真子さんの作品。
私たちの生活の中で身近で欠かすことのできない「食」に焦点を当てた本作は、加工食品である素麺に霧吹きで水分を含ませることにより、緩やかなアーチとなるよう手を加えたものが素材となっています。
竹細工のような厳かな趣があり、ぱっと見ただけではこれが素麺とはとても思えないほど美しい曲線を描いています。高級料亭の玄関先に飾ってあるような、雰囲気のある作品です。
今回紹介できたのはごく一部となりますので、ご興味のある方はぜひ足をお運びください。
展示は3/16(木)まで開催中です。