いなはし
『あのときの君 写真展 2』
2021.3.17-2021.3.19
at EAST 302
ポートレイト写真を中心に制作するいなはしさんの1年ぶりとなる個展がスタート。
今回は一人のモデルの1年を収めた作品が並ぶコンセプチュアルな展示となっております。
昨年に3名のモデルを撮影した作品を中心に構成された初の個展を開催したいなはしさん。
爽やかでナチュラルなポートレイトの雰囲気はそのままに、今年は一人のモデルにフォーカスした作品を1年かけて撮影。
時系列に並べられた写真からは、コロナ禍により漂っていた2020年の閉塞感を感じさせない様なありのままの姿が収められています。
昨年の春は新型コロナウィルス感染拡大のピークだったため思うように写真を撮りに行けなかったそうで、展示は清涼感のある夏の写真から始まります。
夏といえばひまわり、そして麦わら帽子。
いつもの夏を過ごせなかった人にとっては、ひとときでも夏を味わわせてくれるような作品です。
いなはしさんの撮るポートレイトは、演出されたような感じではなく、あくまで自然体のモデルの表情や仕草を形に残そうとする眼差しが感じられます。
不意をつかれたような表情に誰かしらの意図は介在せず、そんな瞬間瞬間から親しみを感じる絶妙な距離感が心地よいですね。
どんな季節でも変わらない自然体の姿と、季節によって引き出されるそのときどきの表情が丁寧に収められています。
お団子を手にとって得意げな顔をしてみたり、雪景色の中でこちらを一瞥するいたずらっぽい表情も、撮る側と撮られる側の信頼関係が表れているのが伝わってきて、いなはしさんでなくては撮ることができないとっておきをおすそ分けしてもらっているような気がします。
展示会場では季節ごとにまとめたフォトブックやこれまでの作品のポートフォリオも見ることができます。
一人ひとり違った世界観で撮影された作品が数多く収録されているので、ぜひお手にとってご覧ください。
展示は3/19（金）まで開催中です。
