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芥川裕行 『あくたがわ展』



芥川 裕行
『あくたがわ展』
2020.10.18-2020.10.20
at WEST ART CORNER

2019年より本格的に作品制作を開始し、固定観念に縛られない何者にも属さない作風が印象的な芥川 裕行さんの個展。岡本太郎を彷彿とさせるような、湧き上がる生命力が感じられる作品が並んでいます。



かねてより落書き程度に絵を描いていたという芥川さんが、本格的に「作品」として絵を描き始めたのは2019年のこと。それから1年ほどしか経っていませんが、そうとは思えないような力のある作品が今回の個展では並んでいます。




もともと自分の好きなように絵を描いていたという芥川さん。
それは展示をする作品においても変わらず、パネルやキャンバスの作品であっても下書きはしないとのこと。

その時その時で必要だと思ったものを描き、時には塗りつぶし、画面に現れていないそれらも作品に内包される芥川さんの作品には、どのジャンルにも属さない独創性と力強さが感じられます。




芥川さん自身も気に入っているというこちらの作品。
「赤い眼」というタイトルが示す通り、画面のど真ん中に「赤い眼」をしたいきものが佇んでいます。

危険や警告を表す赤い眼を目の当たりにし、人や動物、街や自然が渾然一体となってカオスを生み出している様子が描かれています。




コロナ禍をきっかけに生と死に考える時間が増えたという芥川さん。
当たり前のように生を謳歌している最中には考えなかった死が誰のもとにも訪れるかもしれない今だからこそ、生きることそれ自体を意識するようになったそうです。

そしてそれは人間のみならず動物、または自然など、平等に訪れるもの。
混沌とした画面からは不穏さも漂いますが、危険にさらされることで生へ向かう、ある意味で「生命力が放たれる」瞬間を描いたとてもポジティブな作品です。


今回展示されている作品はどれも、細かなモチーフや作品の主題に関係するような言葉が数多く盛り込まれていて、サイズ以上に雄弁な作品ばかりです。ぜひ実物を見に足をお運びください。展示は10/20(火)まで開催中です。


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