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ハヤカワ ジン 『「わたしのからだはだれのもの、」』

 『「わたしのからだはだれのもの、」』
ハヤカワ ジン
2020.1.14 - 2020.1.16
space : EAST102


セルフポートレイト作品を制作するハヤカワ ジンさんによる個展がデザインフェスタギャラリー で開催中!
作品が問いかける「からだ」と「わたし」の関係。展示の様子をレポートします。





現在ギャラリー EAST館102スペースではハヤカワ ジンさんによる個展が開催中。
自分自身のポートレイト作品をはじめ、写真や文章をコラージュしたトルソ型の立体作品が並んでいます。

ハヤカワ ジン       

1994年札幌生まれの写真家。セルフポートレートで活動中。
Twitter@hayaoki0808



展示スペースで存在感を放つトルソ型の作品は、
コラージュされたハヤカワ ジンさんによる写真や言葉で形作られています。

"すきなひととキスをする。すきじゃないひとと手を繋ぐ。
体育の授業の前、ともだちにはだがみえないように、慎重にジャージにきがえる。
家にかえったら、全裸になってビールを飲む。
よくしらない男性のために、お気に入りのミントグリーンの下着を準備していく。
わたしは、わたしのからだをよくしらない。ともだちも、おとこたちも。
わたしのからだは、なにをおぼえているんだろう。
わたしのからだは、だれのもの?"
(展示コンセプトより

作品は「からだ」の所在を鑑賞者に投げかけます。
わたしのからだは本当にわたしのものなのだろうか。
作品を前にしてそんな自問が芽生えてきます。


胸の部分が抉られた作品

トルソ作品には一点一点テーマとなるカラーがあり、
異なる雰囲気をもっています。
そして作品にはそれぞれにキャプションが添えられています。


"貴方が愛でているわたしの「からだ」は、ただの水でタンパク質で炭水化物でカルシウムでリンで鉄で亜鉛で銅でヨードでマグネシウムでしかないのだから。"

"「言われたほうは、一生その言葉をわすれられないのよ。」
投げかけられた言葉は、わたしの「からだ」の奥に溜まっていく。"

"どうして学校では、正しい愛し方や愛され方を教えてくれないんだろう。"

(作品キャプションより一部抜粋)



キャプションに書かれた言葉に共感できる部分があるひとも多いのではないでしょうか。

自分の身体は「わたし」として日々外から見られ続けている一方で、
「わたし」は自分の身体をきちんと見ていないことに気づかせてくれます。

「わたし」と、わたしの「からだ」との関係。
それは当然でシンプルなことのようで、実はそうともいえないのかもしれません。
すべてのひとに共通するテーマといえるのではないでしょうか。



スペースに点在して展示されている「からだ」を前にしてあなたは何を考えるでしょうか。



スペースにおじゃました日は冷たい雨がしとしとと降っていましたが、
展示会の雰囲気とどこかマッチするようでした。

ハヤカワジンさんによる『「わたしのからだはだれのもの、」』は1月16日までの開催。
ぜひお見逃しなく。

 『「わたしのからだはだれのもの、」』
ハヤカワ ジン
2020.1.14 - 2020.1.16
space : EAST102

ハヤカワ ジン       
1994年札幌生まれの写真家。セルフポートレートで活動中。




>>>展示スペースの詳細はこちらから
staff shimada