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BEST STYLIST 『BEST STYLE』

BEST STYLIST 『BEST STYLE』

2019.10.22  -  2019.10.28

[WEST1-B]

5人の絵画作家によるグループ展。
各作家が様々な表現方法で自身の想いを表現しています。表現することの意味とは。。
美しい絵画に秘められた作者の想いに迫っていきます。




ウサキ



内臓を描くことがお好きという作者のウサキさん。ゾッとするモチーフに一歩引いてしまうかもしれません。女性の表情は虚ろな目をしており絶望的。すでに感情を無くしてしまったかのよう。

しかし、グロテスクで見られない!とは ならない不思議な絵。どこかポップ。その違和感の中でぐるぐるとイメージを膨らませていける面白い作品。
そんな内臓を描いているウサキさんは実は血が苦手だという。意外だった。
血は苦手だけど内臓は好き。内臓は好きだけど血は苦手。またぐるぐるしてしまいそう。。

また、ウサキさんはネガティヴな表現をすることで安らぎを得られるという。作者の内臓への愛と安らぎの行為が一つとなり、絵画として表現されています。


夕闇


作品のテーマは「日常に潜む美」と「思考する時」。
左の作品から朝、昼、夕、夜の情景が描かれています。
全ての絵には金魚が泳いでおり、体が軽くなるような無重力な世界のようでもあります。

この絵画の金魚がもつ意味とは何なのか。華やかで優雅に泳ぐ金魚は美しい。しかし、金魚という生き物がこの世界にいる理由まで考えていくと果たして綺麗な生き物としてだけで鑑賞できるだろうか。

日常にふと現れる美しい情景の中で、考えに耽る。
金魚がゆらゆらと水中を泳ぐように、頭の中の思考もゆらゆらと行ったり来たり。

普段の生活を振り返りたくなるような作品だと思います。


ぎゃぎゃわ


テーマは「ファンタジー世界と物語」。
イラストとショートストーリーがセットになっており、お話を読みながら鑑賞できる作品。細部まで細かく描かれたファンタジーな世界は鑑賞者を一人の登場キャラクターにしてしまう引き込み力があります。

作者のぎゃぎゃわさんには、イラストの表現方法にこだわりを感じさせてくれました。今回はキャンバスにイラストがプリントされていますが、あえて地が見える部分があります。キャンバスの凸凹した表情が見える事でイラストと絵画を融合させたかのような作品になっています。しかもそのキャンバス地を額のように扱っているところもポイントです。

ぜひ一枚一枚ストーリーを読みながらファンタジー世界を味わってもらいたいです。


谷高 灯


美術と漫画と百合がお好きという作者の谷高さん。
何か訴えてくるような目つきの女性、全てを包み込むような温もりなど、様々な人間関係を考えさせてくれる作品が展示中。各作品には物語があり、女性の心理状態が繊細に描かれています。

今回は、谷高さんの身近な道具(無地ノート・シャープペンシル)を使用し、エスキース段階の絵に価値を見出すことに意識して制作されたようです。
また、谷高さんが作家として制作するなかで、「創造する際には何らかの影響を受けている」という考えのもと、再構築作業を通して表現しているようです。

谷高さんのフィルターを通して表現された作品をお楽しみください。


タナカ


建物を描くことがお好きというタナカさん。絵の中の人物はあくまでも背景なのだという。

作品は、立体である建物を平面的な線画で描くという変換がなされており、視点が一点に集中せず隅々まで楽しめます。
4枚に区切られたこの作品は、一枚ずつ見ていくと望遠鏡で覗き込んだ時の視点で見ているかのようです。

建物が風景画のように見える面白い作品です。



作者によって好きな被写体、描く行為、思考など様々な意味をもって「表現」に立ち向かっている事が分かりました。10月28日まで展示していますので、5人の展示をお見逃しなく。


作家紹介

 ウサキ
  https://twitter.com/evusaki

 夕闇
  https://twitter.com/yuyami45
  
 ぎゃぎゃわ
  https://twitter.com/gyagyawa

 谷高 灯
  https://twitter.com/unico_ippon

 タナカ
  

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