なとり、けしこ
『伏した目と、履きつぶしたローファー
2019.8.5-2019.8.7
at WEST 1-D
タイトルだけでもエモーショナルな気持ちになりそうな2人展が本日よりスタート!
なとりさん、けしこさんによる初めての写真展です。
Twitterを通じてお互いの写真に惹かれ、つながったというお二人。
いつか一緒に、という話は遡ること2年前からあったのだそう。
それから、「少女性」という共通のテーマのもと、今回の展示開催となりました。
もともと人物を中心に写真を撮っていたというけしこさんの作品がこちら。
横顔だったり後ろ姿だったり、あるいは何かに隠れていたり、正面からモデルの顔を写すことが多くないというけしこさん。その理由について聞いてみると、正面から表情を写したポートレイトは、良くも悪くもその人物に鑑賞者のフォーカスが集中してしまうから。たしかに、人物と場所と、総合的に自分の世界観を表現したい場合のバランス感覚って難しいですよね。
「少女性」を表現するにあたり「自らの中にある原体験としての少女を表現したい」と取り組んだ作品たちは、頭の中で記憶を探り探り再生しているような、ノスタルジックなトーンで統一されています。作品にストーリー性があり、まさに在りし日の記憶を再生しているよな作品です。
一方のなとりさんの作品がこちら。
なとりさんは今回の展示で、2名の友人を捉えたポートレイト作品を展示し、二つの作品がぱっとみて対になっているようにも見えます。
こちらの作品ではなとりさんの友人を、友人の実家近くで撮影したもの。
写真を通して被写体となる人物のパーソナルな部分を表現することを心がけているということで、モデルにとって馴染みの深いロケーションの中にいるご友人のパーソナルな部分が、表情だけでなく画面全体で表現されています。
もう一方の作品は、ロケーションと人物とのつながりではなく、むしろ化学変化的な効果により「少女性」を表現した作品。
少女性という性質は(もちろん男性にとっての少年性も)、大人になると表に出なくなるというもの。はにかむ姿や物憂げな視線を向けるを見ると、「場所」という付帯要素により被写体となった人物の「少女性」が見え隠れしているようです。
作風は違うものの、それぞれが共通のテーマに真摯に向かうことによってまとまりのある展示空間となっています。8/7(水)までの開催ですので、気になった方はぜひお越しください。
【使用スペース:1-D】
author : isaka