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西野カイン/初菜 『拝啓、愛すべき孤独』



西野カイン/初菜 『拝啓、愛すべき孤独』
2019.5.24-2019.5.30
[WEST 1-D]

「私たちは、どう足掻いたって、ひとりになっていく。」
「孤独ごと抱きしめて 愛していくしかない」
一線一線を繊細に、そして力強く描かれている西野カインさん。
人の憂いや喜びや悲しみ、全てに寄り添う「孤独」は、自分自身の一番の理解者なのかもしれません。



どうしようもない、やり場のない悲しみに打ちのめされた時、人は無情や孤独を感じるのではないでしょうか。
こちらの作品では、呆然と佇み涙を流す青年と美しく咲き誇る花々が印象的に描かれています。
この花々は、悲しみや孤独をそのまま表したかのような、そんな印象を与えているようです。



《私たちは、いつか死ぬことを知っている》
「死」の先に待っている自由をやっと手に入れた、そんな喜びにも感じられる本作。
長い人生を生き延びることは喜びと苦痛を伴いますが、朽ちゆく身体が羽ばたいていく様子に、命の尊さを感じます。



「喜怒哀楽全ての感情に涙は付随する」と仰る西野さん。
彼女の描く涙は、胸いっぱいに広がった感情が抑えきれず、ぼろぼろと、またははらはらとこぼれ落ちた涙。
透き通った雫が印象的に描かれ、キャンバスいっぱいにエネルギーが感じられ、胸が締め付けられます。



また、セルフポートレート作品も展開されています。
西野さんご自身のクールでアンダーグラウンドさを感じさせるカリスマ性と、写真に書かれた文字がとても印象的です。
イラスト作品の中には西野さんご自身がモデルとなっている作品も。
是非会場でご確認ください。



どんなに人と繋がっても、どんなに人を愛しても、私たち一個人の人生は「孤独」である。
この世に生まれた瞬間から人は皆平等に孤独ですが、「一生孤独である自分」を愛すること。
その尊さが生きることと死ぬことなのだと、作中の「彼ら」は筆者に教えてくれました。

本展は5/30(木)まで。

胸がギュッと締め付けられる、西野さんの「生」へのエネルギーや愛情が溢れる空間へ、是非足をお運びください。

Twitter:@__H_a_n_a_

<スペース詳細はこちら>

[WEST 1-D]

staff kome