高井美雨『原宿地獄展』
2019.2.4-2019.2.8
[WEST 1-B]
現代美術家:高井美雨さんによる個展が開催中です。
大量消費社会である現代。物が溢れ、日々その価値や在り方が問われるようになりました。
ここ原宿で高井さんが表現する大量消費社会とは。
大量消費を「地獄」と表現し、「ネオ原宿」と称された空間が広がります。
全体的にネオンカラーを使用した作品にはフィギュアやお菓子の袋、広告、おもちゃなど、
大胆に「それ」とわかるものがキャンパスに貼り付けられており、その光景はカオスそのもの。
女の子が胸をときめかせるようなアイテムを中心に「ネオ原宿」は構成されています。
全体を通じるコラージュは、平面作品においてもその印象は強く現れています。
ところどころにシールが貼られていたり、ハイブランドのロゴのようなものまで、「どこかで見たことがある」印象が随所に見受けられます。
息苦しい世の中に救いを求めるような、祈りにも似た印象さえ感じられます。
魔法の杖のおもちゃの造形が使用されていることもまた、消費社会に向けたアンチテーゼを強く表現しているよう。
流行の発信地である原宿の街。
流動的に文化が入れ替わり、その分大量消費、大量生産が行われてきた街とも言えます。
「原宿らしさ」が過剰なまでに詰め込まれた本作は、次々と塗り替えられていく文化や過去を顧みない大量消費の現状を表しているようにも見えます。
「ネオ原宿」とはまさに原宿のディストピア、つまり「地獄」ということなのでしょうか。
大量消費社会の在り方を、カラフルでポップな世界で問う本展示。
原宿で展示されていることに非常に重要な役割があると言えるでしょう。
本展は2/8(木)まで。
原宿という地獄を見逃すな!!!!!
Twitter:@yellowmoon672
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[WEST 1-B]
staff kome