東 哲郎・田中 有人 『二人個展 -竜吟虎嘯-』
@EAST 301,302
2017.6.16 - 6.18
フォトグラファー東哲郎さん、モデルでありながら自身でもiPhoneを使用した
セルフ撮影を行う田中有人さんのふたり展ならぬ二人個展が開催中です。
フォトグラファーとして国外でも活躍する東さん。普段は女性ヌードを中心に
作品を発表している中、男性モデルである田中さんに被写体として声をかけた
ことがお二人の知り合うきっかけだったとか。
田中さんはモデルとして活躍されており、そのお仕事とは別にiPhoneで、
自身を被写体にした作品を撮影していました。ある時その作品を見た東さんから賞賛を
受けたそう。
国内での個展は初めてとなる東哲郎さんの展示に田中さんも自身のフォトグラファーとして初の作品展示を行うという形でこの「二人個展」が開催されることとなりました。
東さんの作品で男性が被写体となること自体大変珍しいことだというので、二人の
出会いは稀有な機会だったと言えます。
私は作品の印象からはどこか共通した部分を感じましたが、田中さん曰く、
対象的な作品であると言います。
それもその通りで、被写体は女性と男性、構図はバストアップ中心と背景も含めた全身撮影、カメラは一眼レフとiPhone内蔵。
これだけ対象的であってもどちらの作品からも漂う艶っぽさや憂いが感じられるのです。
なるほど、タイトルの「竜吟虎嘯」にも頷けます。
「竜吟虎嘯」
(同じ考えや心をもった者は、相手の言動に気持ちが通じ合い、互いに相応じ合うということ。-goo辞書より)
画家としても活動されている東さん、中にはとても絵画的な作品も。
陰影が体の凹凸を浮き立たせ、人間の個体の「生」と女性の「性」が立体的に表現されており、美しい作品ばかり。複数名の女性が被写体となっているのですが、彼女たちの
内面に潜む性質や感情までが画面を越えて伝わってくるような気がします。
こちらは同じ301の対面に展示された田中有人さんのiPhoneで撮影された写真。
構図などは事前にほぼ決定されているそうで、1枚の作品で撮影する枚数は多くても
10枚程度だとか。
できるだけ明るさや色味を落としているという写真はどこかノスタルジックで退廃的な
空気が漂います。セルフィーとは思えないくらい、雰囲気のある拝見の選び方や
バランスの取れた構図から引き込まれる物語性のある作品たちです。
それに加えてモデルの存在感は、さすがはプロのモデル、もちろんたっぷりです。
田中さんの撮影道具はこの二つのみ。
iPhoneと何と洗濯ばさみ!コンパクトで優秀な固定器具になるのだそう。
こちらは302で展示されている作品。こちらのスペースは全て東さんの作品展示
となっています。写真と絵画の間をゆくような不思議な感覚の作品は、やはり
どちらも手がけるからこそ出せる魅力なのでしょうか。
女性の体は美しいな〜と改めて思った作品。色っぽさとあどけなさが共存しているよう。
もちろん、この他の作品からも女性の美しさ、生き物としての美しさを存分に感じられる
ものばかりですよ。
お二人の展示、ぜひぜひぜひ実物を見に来ていただきたいです^^
展示は明日6/18(日)まで。ご本人方も在廊されています。
ご来館お待ちしています!
東哲郎websitehttps://tetsurohigashi.com/
【使用スペース】※リンク先はEAST301になります。
DF STAFF ASUKA