【多摩美術大学「よあさる」展】『夢見る砂上』 河森まりん [EAST 302]



『よあさる』
多摩美術大学造形表現学部映像演劇学科卒業制作展
2017.1.24 - 2017.1.29

WEST/EASTほぼ全館規模で開催中の
多摩美術大学造形表現学部映像演劇学科卒業制作展『よあさる』。
<上演><上映><展示>とそれぞれ会場が分かれており、
デザインフェスタギャラリーでは<展示>部門の作品を見ることができます!

こちらのブログではEAST 302の 河森まりんさんの展示『夢見る砂上』をご紹介します。





インドのジャンムー・カシミール州東部の地方、ヒマラヤ山脈とカラコルム山脈に挟まれた一帯に位置し、チベット仏教がいまでも息づくラダックの地で過ごした一夏の記録をドキュメントした写真作品が2冊のブックを中心に展示されています。

写真はすべてモノクロフィルムで撮影したもの。
脳裏にまで焼き付けるよう、一つひとつ丁寧にシャッターを切ったのだろうことが想像できます。




その地に住むスタンジンという少年と彼を取り巻く子供たちとの交流を記録したブック1。
異邦の人でありながら赤の他人に向けられるそれとは違い、彼らの眼差しには河森さんに向けられる確かな親しみの感情が認められます。

彼らにとって撮影者は遠い異国の人。
しかし一夏とはいえ家族のように迎え入れてくれるラダックの人々の温かさが伝わってきます。




撮影者に向けられる視線、そしてファインダー越しに交わしたであろう撮影者の視線。
ドキュメンタリーのようでありながら、それは傍観者ではなく当事者的な、私写真的な距離感でもあります。

写すものと写されるもの。
その双方の協力、つながりがなければ成立しえない作品です。




わたしたちが当たり前のように享受している文明からは少し離れた、辺境の地の人々と心を通わせた一夏の日々。
非日常的な時間はそう時間をかけずに思い出となり、記憶は薄れていくかもしれない。
それでもふと彼の地での光景がフラッシュバックするとき、 あるいはこうして幾千もの写真を見返したとき、夢を見ているかのように温かい気持ちに包まれるのでしょう。


※WEST 1-Fはインフォメーションとなっていて、CMの上映や冊子などがもらえますよ!

【 展示スペース:EAST 302 】
written by isaka