S-ado
『Zebroid』
2016.5.6 - 2016.5.8
[WEST2-D]
やわらかい光が窓から射し込む。
薄いカーテンでデフゥーズされた優しい光だ。
カメラを手に取り、ファインダーを覗き、シャッターを切る。
無意識のまま一連の流れをこなす。
ただ、わたしのこころにあったものは「今」を留めておきたいという欲望だけだったのだ…
フィルムもデジタルも混在したバラエティー豊かな写真作品展。
ひとつの空間を彩り、新たなに生まれた「ゼブロイド」をご鑑賞下さい。
WEST2階のスペースに泡のような、淡泊な雰囲気が漂ってくる。
思わずに覗いてみたくなります。
写真は毎日増えていきます。そして、すごいスピードで駆け抜けていく。
感情の渦がその速さについていけず、平面の積層だけが目に映る。そんな世の中です。
「私」は希薄な存在になり、透明人間になっています。
それでも「私」は生きています。
今日も元気です。
見たままの景色を捉えるのが写真の魅力さでありながらも、
絵のような抽象的な視角もとても斬新。
薄く消えそうな、表わしてくるような、
でも、ちゃんと映っている世界です。
その曖昧さに心が動揺されてしまう。
正面の壁には小さい写真がどんっと真ん中に放置されています。
錯覚のような、より遠く見えるような気がします。
上の写真はお花?お肉?
被写体ははっきりとはわかりませんが、だからこそじっくり鑑賞したくなります。
春の息吹を感じさせる優しいテイストの写真群が変則的に飾られています。
写真と窓から眺められる緑は不思議に融合されていて、
まるで一つの空間に存在しているようです。
清々しい。
フォトブック4冊置かれています。
どうぞ掛けて、ゆっくりご鑑賞下さい。
一枚一枚のページに載せるのは、彼の視線で見た景色。
被写体の一部だけ抽出したフレーミングから伝わってきた緊張感。
写真からは読み取ることができない部分は鑑賞者の想像に委ねられます。
その神秘的な雰囲気に惹かれてしまいます。
展示は今日(5/8)が最終日!是非このうっとりとした空間へ遊びに来てくださいね♪
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-Profile-
S-ado(Takuya Sado)
東京在住の元文学少年です。
ウマとシマウマはそっくりさん。顔もそっくり体型もそっくり好物もそっくり。でも違う。
似ているけれど違うもの。それがひとつに交わるとまた新たな個が生まれます。
それはゼブロイド。ウマとシマウマの雑種。顔も体型も好物もパパとママにそっくり。でも違う。
まごうことなきただ一人の「私」。