高橋 栄男『PREMIUM EXHIBITION IV Parallaxis』1-C



WEST館全スペースを使用して開催中
神島プレミアムクラス 『PREMIUM EXHIBITION IV Parallaxis』
2016.5.24 - 2016.5.29

今回は 1-C スペースに出展されている、
高橋 栄男さんの作品をご紹介致します。

高橋 栄男
■プロフィール プレミアム加入年 2007年
ー展覧会ー
2013年 グループ展 「PREMIUM EXHIBITION III jamais  vu」(TIPギャラリー/東京 京橋)
2011年 グループ展 「PREMIUM EXHIBITION II 知覚の束」(CLASKA/目黒)
2008年 グループ展 「PREMIUM EXHIBITION」(CASPER’S Gallery/中目黒)
■普段 何に心を動かされて考えてシャッターを切っているか。
 日常の中にある「ちょっとだけ不思議な風景」を
追い求めて、写真を撮り続けています。
■今回の展示の見所
ありふれた景色が、形を変えて出現する面白さを 表現しました。


テーマは『 佇む 』





『 佇む 』
たたず・む(自五)1.しばらくその場に立っている。立ちどまる。


緩やかな舗装された道の頂点を境に、
境の向こう側の景色と物が姿を表す。
この場から視認出来るのは、
恐らく構造体のほんの一部分に過ぎない。

さて、私個人の勝手な言葉への印象であるが、
「佇む」という言葉には、
物理的・心理的にも主体と対象の距離が
離れているという意味合いが含まれている印象を受ける。




距離といっても、視認できるから撮影が可能なわけで、
触れるのが困難なレベルではない。

そして、具体的にどれほどの距離が必要という指標もない。
抽象的だが、互いが「離れている」という印象を与え得るものがそこにあれば良い。

高橋さんが捉えた情景(構造体)は、
宙に浮く酸素や二酸化炭素や陽炎やらで、
像が霞むくらいの距離をとっており、同時に、
中途半端に刈り取られた雑草の間にある道が構造体を隔てる。

そして、距離の前にある重要な要素として、
隔たりがある。





この場の「隔たり」の多くは、物理的なものである。
遊園地であれば、勝手に入場・退場できないように。

仕組み、防犯、防災、プライバシー、
多様な目的により立ち上がる隔たりという存在。

意識的に用意される隔たりの多くは、
主体に安心をもたらす目的であろう。

この安心という言葉の響き、
私には「潮騒」が映像的なイメージとして浮かんだ。




『 佇む 』
たたず・む(自五)1.しばらくその場に立っている。立ちどまる。


高橋さんの一連の作品には、人物は一切登場しない。
多くは構造体と植物と風景。
人と密接に関係しながらも、あえて、人は写っていない。

みな、どこに行ったのだろう。
何かの目的で人のために建てられた構造体は主の帰りを待ち続け、
植物は踏み荒らされぬだけの平穏さを享受し、
風景はただただ、そこにある。

「ただ」

それは人が考えた概念・言葉で、
人ならざるもの達にとってはすり抜けるだけの空しいもので。

しかし、愛おしいと想う、
そんな写真たちが佇む一室。


神島プレミアムクラス 『PREMIUM EXHIBITION IV Parallaxis』