東京藝術大学デザイン科3年有志
きんばら / 重野里奈 / 藤谷さや / 二見泉 / ふわた / モリメイコ
EAST 302:2016.3.29 - 2016.4.3
“mélange -メランジュ-”とはフランス語で「混ぜ合わせたもの」や
「綿と毛の織物」を意味することば。
6人の個性が織り合わさった、グループ展のご紹介です!
「文字の領域」
藤谷さや
-これは、文字が文字として認識されなくなる瞬間を探る実験です。-
文字をエレメンツごとに分解してずらしたり、解像度を落として模様のように
ぼやけていく様子、字間を狭めて重なり合っていく様などを記録した文字作品。
数値ごとに正確に変化していく様子は、実験的な要素もありつつ、ひとつずつが
デザインとして見えてくる面白さがあります。
どこまでが文字に見えるか、来場者の感覚がシールによって反映されているので
自分の感覚と比べてみる楽しさも!
「IGUSA <たたみに座る> 」
二見 泉
すっきりとしたデザインと、癒されるイグサの香り。
ご実家は明治造りの歴史ある民家で、畳の部屋で慣れ親しんだ思い出から
洋室にも置けるようなイグサの椅子をつくろうと制作されたそうです。
実際にいろいろな方に座ってもらうことで、新たな発見もあったそう。
私も部屋にほしいです…!
「紙人形の国のアリス」
ふわた
鮮やかなイラストを立体的に重ねあわせ、物語を一枚で表現した作品。
臨場感のあるキャラクターの動きが魅力的です。
細かい部分も丁寧に紙で作られていて、奥行きのある生き生きとした動きは
飛び出す絵本よりも迫力を感じます!
「積」
きんばら
レジンで透明な枝と葉つくり、細やかな結晶をまとわせた幻想的な作品。
ミョウバンの液にレジンをつけることで、本物の雪が積もったような自然な姿が
つくり出されています。
長方形の木枠にはめ込まれ、透きとおった布の裏から白い光でライティングされた様子はまるで窓から雪景色を眺めているかのよう。
「シャビーシックな春の小物たち」
モリメイコ
緑と白をベースにしたディスプレイに、春らしい色あざやかなアクセサリーと
雑貨作品が並びます。
めずらしいロゼット型の壁掛け雑貨は、ガーリーなデザインと石膏のような質感の
バランスが不思議な上品さを醸し出しています。
「ノートの結晶」
重野里奈
人がノートと過ごした1冊分の時間。
1枚ずつスキャンし、パソコンの中で重ね、一冊分の文字を一枚に圧縮させています。
今回の展示では、小学生、日本画家、美大生、ブックデザイナー、美容師の
肩書きを持つ皆さんの“ノートの結晶”が展示されています。
版画のようにひとつひとつの線が持つ深みを味わいながら、何が書いてあるのか
文章も気にな、いつまでもじっくり見てしまう興味深い作品。
ひとつひとつ見せ方にもこだわっていてとても可愛らしいです…
パソコンでデザインするだけではなく、デザインしたものを実際に形にするまでが
課題だそう。
形作らないと見えて来ない部分もたくさんあるんだろうなあ、とお話を聞きながら
デザイナーさんの大変さを実感しました。
ほれぼれするようなスタイリッシュなデザインと、アプローチもとてもおもしろい!
春から4年生の皆さん、忙しくなりそうですがぜひまた次なる作品も見てみたいです。
展示会は明日が最終日。見応えたっぷりの作品たちをお見逃しなく!
【出展スペース:EAST 302】
DF STAFF nakagawa