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小泉冴映香 神木佐知子 『ふたつ節句』


小泉冴映香 神木佐知子
『ふたつ節句』
2016.3.22-2016.3.28
at EAST 102

小泉冴映香さん、神木佐知子さんによる二人展『ふたつ節句』がEAST102で開催中。
「繋げる」の展示コンセプトのもと、二人の作家の節目としての作品が展示されています。


Love is over

女子美術大学の大学院で出会ったという二人。
今回の展示では、それまで違った道を歩んできた二人の個性が最大限に発揮された力作ばかりです。

こちらは神木佐知子さんの作品。
無数の十字架の墓標は、いまは会えなくなった、これまでの人生で出会ってきた人たちの象徴として描かれています。

breathe

製作期間半年の大作は実家の窓の外に見える景色をイメージして描かれました。
異国情緒が漂うのは、その実家というのがパリにあるから(!)。

中庭があり、それを囲うようにして住宅が建てられているパリのアパルトマンがどこか幻想的に映ります。


I miss you

想い出


「繋げる」という展示コンセプトには、次の年、また次の年の展示へとコンスタントに繋げられるようにというという想いが込められています。

今回の展示はその第一歩を飾る記念すべき展示。
一つひとつの作品が本当に丁寧に、大切に作られているのだと感じることができます。

Border

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落としもの

小泉冴映香さんの立体作品は蝉の羽根をイメージして製作されました。
素材はシルクオーガンジーで、染織には藍の茎使用されています。

はじめはグレーに染める予定だったのが、思いのほか茶色くなってしまったのこと。
それでも、この色になったことで、蝉が最後の力を注いで声色を響かせる晩夏の風景が頭にふと思い浮かびました。


 

細部は糸を縫い付けることで表現し、輪郭は針金で作られ、そこに糸が絡んでいます。


虫こぶ

こちらは自身がモデルとなって描かれた絵画作品。染織した和紙に墨、鉛筆、胡粉で描かれています。

「虫こぶ」とは、寄生生物に侵された樹木が、その部分を以上発達させてできるかさぶたのようなもの。

それを踏まえて改めて作品を鑑賞すると、この絵に込められた意味が浮かび上がってきます。


「節句」には伝統的な日本の年中行事を行う季節の節目という意味があります。
大学院初年度を修了し、一つの節目を迎えた二人の作家が行う展示としてこれほどぴったりなタイトルはないと、展示を見終えて感じました。

次に繋がる新しい一歩としての二人展、ぜひご覧下さい。

【出展スペース:EAST 102】
DF STAFF isaka