nwa
『印象主義 - Impressionisme -』
2015.12.27 - 2015.12.29 at WEST 1-G
ー静かに澄み、ゆっくりと流れ始め、美しく煌めいては
激しく押し寄せ、そしてまた静寂の中に消えてゆくー
中略
偉大なるRavel先生の命日《12月28日》を偲び、この日、『印象主義』ーImpressiononismeーの名を冠して、写真の展示を行います。これは写真家の表現ではなく、豊かな色彩と喜びとを湛えたこの世界への献呈であり、その偉大なる恵みへの感謝です。
自然に対する信仰ともいうべき,印象の刻印のために。
美しく旋律が流れるラヴェルの楽曲《水の戯れ》のように、美しくそこにある自然の姿を捉えたnwaさんの写真展が開催中。
作品の一部をご紹介します。
nwaさんの作品を語る上で外せない要素がその独特な作品の見せ方にあります。
写真そのものの美しさもさることながら、その美しい写真を透明フィルムにプリントしているのが特徴です。
写真は紙の特性により色表現も変わってきます。
それゆえ表面の材質に左右されない透過のフィルムを使うことで、文字通り透き通るような色彩を表現しています。
陽射しにかざして葉脈を透かして見ているかのよう。
壁面に被写体の影ができることで、まるで葉がそこに存在しているかのような錯覚を覚えます。
水は透明なもの。
その透明を、透明のまま表現にする。
シンプルなように思えて、こんなにも美しく見える。
nwaさんの作品のテーマのひとつに『旅』があります。
ファインダーを通して見せたい風景を求め、遠くに想いを馳せる。
徒労の上に写真に収めた風景は、作家の心象風景を重ねあわせたかのようにもうつります。
自然の美しさ、旅先で目にした人の営み、偶然の産物、その一つひとつを大切にコレクションするように収めた写真たち。
旅は孤独、されど美しい光景を求めてやまない。そんな姿勢が写真にも表れています。
無造作に置かれたエッセイを手に取り読んでみると、自分が旅しているかのように作品を見ることができます。
沢木耕太郎の『深夜特急』を思い出しました。
カメラ一つを手に取り、荷物をまとめ、旅をしたくなる。
そんな気持ちにさせてくれる写真展です。
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