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シャバヒャクビ『夢をみる』



『夢をみる』
シャバヒャクビ 
1-B:2015.10.30 - 2015.11.5

シブヤさん、サカイさんの高校時代からの友人2人からなるユニット・シャバヒャクビ。
ユニットとして初めてとなるこの展示のテーマは『夢』について。
いつか見た夢の一場面、無意識下のイメージを表現した作品が並びます。



“シャバヒャクビ”という聞き慣れない響きのユニット名は造語で、二人の名字のアナグラムで作られた言葉です。

会期中に描かれている写真1枚目のライブペイント作品は、当初意味を持たなかったこの言葉に動物の名前のような感覚を見出した二人が、「シャバヒャクビの正体が何なのかを具現化する」という試みで制作しているもの。

二人とも猫好きとあって『無意識に』猫のような姿形になったそうですが、これこそが二人が生み出した“シャバヒャクビ”の正体なのかもしれません。



こちらはシブヤさんの作品。
断片的な夢のイメージを四編のイラストで表現しています。
箱のように囲われた装丁方法は、これが『頭の中で見ている夢のイメージ』であることを示唆しています。


つづいてサカイさんの作品。
「身体の中に金魚がいる」感覚がする夢を見たサカイさんが、そのイメージを表現したドローイングです。夢の中のシーンをそのまま表現したというよりも、その夢を見て起きたときに感じた不気味さ、身体の中に何かいるという違和感を形にしたのだそう。
描かれている金魚の数が左から1匹、2匹、3匹、4匹と増えているのは、これが連続した一つの作品であることを表しています。


こちらのペン画作品は二人の合作です。
これは1920年代にシュールレアリストたちのサロンで流行った遊び『甘美な死骸』を実践したもの。
一方が縦方向に4つに折り畳まれたキャンバスの1コマ目に、続きが描けるよう線の途切れた絵を描き、もう一方がその線を繋げる形で絵を繋ぐということを繰り返しひとつの絵になるという、リレー形式で描かれた作品。
そのようなプロセスのため二人にとっても出来上がりはまったく想像がつかず、相手が描いてきた絵を見て感動を覚えたそうです。




以上の3作品はシブヤさんの過去作から。
今回の『夢』、『無意識下のイメージの具現化』というコンセプトの外で描かれた作品ですが、不思議とそのテーマに合致するような、どこか夢うつつのさなかに見ているような非現実的な感覚がしました。

二日後の会期終了までに完成を目指しライブペイントは継続中。
完成品を、”シャバヒャクビ”の正体を見届けにきてください。


【使用スペース:WEST 1-B】

DF STAFF isaka