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Pink展



「 一部、18歳未満の方は入場をお断りするブースがございます。」

好奇心をそそる文句を看板に添えて、
今企画に出展するのは計14大学、合同展示である。

青山学院大学、共立女子大学、芝浦工業大学、大東文化大学
中央大学多摩、東京大学、東京工業大学、東京都市大学
東京農業大学、東洋大学朝霞、日本大学文理、法政大学、立教大学、早稲田大学

展示会場は EAST : 101 スペース






白いギャラリースペースの中に展示された、
色とりどりのエロス。

「ピンク」という言葉から、
セクシーな響きを感じ取ってしまうのは性なのか。

具体も抽象もごっちゃになって、
作家の数だけ、作品の数だけ、
異なる性質の性を作品という形にする。


「B地区」(写真左)


キャンバスに貼付けられた粘土は、
こねくりまわされた後に乳首の形を取ったのだ。
大きなは大小異なり、隆起の仕方も違う。
また鮮やかなピンクから沈んだピンクまで。
貴方の好みのそれをお探しください。


「ピンク」


使用された画材は、アクリル絵の具とメディウム。
太い絵筆で描かれたふくよかな女性、裸体。
顔から足にかけて、半透明なメディウムを塗布。
だまになったメディウムは、強く精液を想像させる。

激しく塗りたくられた後でも、
瞳の奥底にはハートマークが残り、
もうキャンバスはラブベッドにしか見えない。


「Secret flower garden」


あまり余計な肉は付いていない。
ほっそりした身体に控えめな乳房。
派手な色気は無いけども、
ふと視線が止まった一枚。


「格差」


この潔さにやられた。
薄い板きれ&大きく柔なビニールボールを、
テーブルの上にどんと置くだけ。

二個のボールは白い布でひとまとめにしているのに対し、
板きれはそのまま、というこの差異は、
大きさの違いに言及するアプローチに他ならない。


「魂」


鯖太郎さんが制作された今イラスト。
登場するキャラクター達は、手足を欠損している。
あ、頭部を失った者さえいる。

生気を抜かれた表情をしているが、
絶望に浸かっているとも違う。

アンニュイな表情の寄せ集め、
お好きではありませんか?


「女体像」


私は最初気付けなかった。
彼女は雪で作られていることを。

しっかりとした肉付き、大人の女性の身体。
彼女が寝ているのは砂浜ではなく、
雪まみれの石畳であるが、
白い肌ならこちらの方が最適である。


「コレクション」


漫画:ドロヘドロやフリージアを思い出す。
赤い壁にベルトで固定されたのは、
女性の身体をしつつ、頭部は動物の者たち。
乳房やお腹周りにも微妙な違いが見て取れる。


「PANTSDECOMPOSITION」


見よ、熟女コラージュの破壊力。
複数の技法を併用して出来上がった画面は、
空と山を持ち、城もジェット機も灯台もある。
しかし、やはりと言うべきか、
人の形をした物に目を奪われてしまう。
それほど迄に、慣れ親しみ、
魅力を感じてしまう人の形。


「NADE NADE」


ビビッドカラーが眩しい、
タコとクラゲと男の子。

だらしなく開いたシャツ、
首元に付いた無数のハート型のキスマーク。
イカか、又はクラゲのなす技だろうか。


「クリィミィ」


ワイヤーを芯にして、紙粘土で作成されたのは、
パンティーとブラジャー。
ブラジャーは表側がドリアンの装い、
パンティーは内側に手描きで「girl」の文字。

ホイップクリームのカラーリングに反する、
その攻撃的な仕上がり、良いと思います。


「いけず」


それは、意地が悪いということ。

スーツ姿でキめているけど、
表情を隠すマスクをかぶって、煙草をふかす。
悪い男の仕草だぜ。

裸の少女、
逃がさないように両手を掴み、
これから何をたくらむか。

でも、少女の顔の位置は、
嫌がっていないから、どうぞお好きに。


「清純」


アキさんが石膏粘土で制作された立体作品。
漆喰のように固められた下地を突き破り、
レースのような裂け目から表れたのは、
清純をまとった女性。

たなびく髪、虚ろな瞳、
淡い色の乳首、そして唇,
それら全てに触れたいと思わせる。


「畏怖」


Pink展、展示作品の中でも一際目立つ「畏怖」
素材は繊維強化プラスチック、紙粘土、ガラス。

鍛え上げられた男性のシルバーボディ。
ボディと関節の際は錆び付いた色合い。
頭部の球体は首となめらかに結合し、
その大部分が大破したように綻んでいる。
地球儀を眺めているようでもあり、
でも釘が差し込まれていたり、
パンツはアルミホイルだったり。
ボディというベースが常識で、
そこからどう逸脱していくのか。

理解が遅れる、理解が及ばないから、
畏怖も興味も呼び込んでくれる。

と、作品をご紹介させて頂いたにも関わらず、
まだまだ作品の紹介は終わらないこのボリューム。
どうぞ、現物とご対面を。

『Pink展』
会期2015.5.9 - 2015.5.11