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柳町貴子 『ねこまたコレクション』




DESIGN FESTA GALLERY では約三年ぶりの個展となります。

柳町貴子 『ねこまたコレクション』

WEST : ART POCKET にて開催中







"猫又、猫股(ねこまた)は日本の民間伝承や古典の会談、
随筆などにある猫の妖怪"


本来は人を喰う恐ろしい妖怪である「ねこまた」
この展示は、年を取った猫が集めた宝物というイメージで作成しているとのこと。

集められたねこまたの宝物は、
昆虫標本のように、ピン針で固定されたり、
その身を貫かれる等して留まっている。





剥ぎ取られた顔の一部は、
木製の標本箱の中に閉じ込められている。

また彼の瞳は、ガラスの外側にある世界を一心に眺めている。

彼らにとって、その窓から眺める光景こそが、
唯一の娯楽である。

その目線の先にあったのは、
自分と同じく、ねこまたに収集されてしまった者たちの姿。

口元が残されていたとしたら、
「おまえもか」と言うのだろう。





それにしても、さすが恐ろしいとされる妖怪である。

コレクションに人間の顔の一部もあれば、
目の周りの皮膚の状態から察するに蛇の一部もある。





また蝶や蛾、といった飛行する生物や、
植物さえも同列に扱われている。
欲しいと思うもの、欲望に素直であり、
また欲しいと思うものを、手に入れる実力もお持ちである。





自らの手元に置いておく、コレクションという行為は、
対象を管理しやすいサイズに限ることで効率的に行うことができる。

しかし、彼に限ってはその理由だけではないように思う。

余計な部分は可能な限りそぎ落として、
より具体的に、自らが欲しいと思った「箇所」を
集めているのではないかと。


生物の皮膚を注視すれば、
まぶたの形、虹彩、瞳孔から、
それらが異なる生物であることがわかる。

限られたパーツだけ取っても、
個々の生物の個性、違いが感じ取れること。

通常の猫以上に長い年月を生きているとされるねこまたは、
さすがに目が肥えている。

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柳町貴子 『ねこまたコレクション』
会期:2014.12.8 - 2014.12.14

(ぱんだ)