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山下宏子/武田あかり/下村結衣



東京藝術大学絵画科油画1年 山下宏子さん
武蔵野美術大学造形学部油絵学科2年 武田あかりさん
武蔵野美術大学造形学部油絵学科2年 下村結衣さん

三人の女性作家による絵画展
EAST : 102 にて開催中



山下宏子
「 優斗 」


計六枚の絵画からなる作品。
タイトルはモデルの名前だろうか。

内、正面を向いた構図が三点、
目を見開いた彼、
目を閉じた彼、
目を見開いた彼。

流れが、彼の、日常を語る。


山下宏子
「 優斗 」


全ての彼は口を閉じている。
彼の内側には、沢山の光が蓄えられている、
そう、私には見えた。

その光、閉じた口の中で行き先を求めている印象ではなく、
光は彼の表面へ。

髪から肌から瞳から。
既に溢れ出ているではないか。


武田あかり
「 utakata#1 」


薄い大理石を支持体に、
油絵の具が擦り付けられている。

離れて見れば、
その些細な凹凸さえも、
支持体に初めから与えられていたかのよう。


武田あかり
「 utakata#1 」


縦長の支持体は、水面から水底に対応する。

色の無い水の中、気泡は光を意図せず反射させて、
水中の光景を変えてしまうが。

彼女の作品は、絵の具を用いて、
色の無い空気中の光景を、
光と共に変えようと試みる。

じっと、自らの瞳をマクロレンズのようにして、
色の付いた気泡を眺めた。


下村結衣
「 自画像 」板、油彩


しっとりと水に濡れた髪をかきあげ、
地面に身を預ける。

上部から降り注いだ陽の光が、
気だるい表情を作り出す。



下村結衣
「 kobito 」パネル、油彩


子供の頃は、道端に落ちていた木の枝一本で、
帰り道数十分を有意義に過ごせたものである。

枝を振り回している間は、
自分が何者かにでもなった気分であった。
でも、恐らく自分では自分が何者であるかなど理解出来ず、
ただただ、別の者として過ごすしか出来ず。

他人の目を通してやっと、
私が何者であったのか、
何者になれていたのか、

を、知るのだと思う。


山下宏子 武田あかり 下村結衣
会期:2014.11.23 - 2014.11.29

(ぱんだ)