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『夢幻泡影』
2014.9.5 - 2014.9.7
WEST 1-F
【夢幻泡影】
人生や世の中の物事には実体がなく、非常にはかないことの例え。
それぞれが感じ、考える「夢」の表現。
写真を学ぶ3名による展示会です。
萩原明日香さんの作品は小さな頃に亡くした父への憧れを表現した。
記憶には残っていないそうですが、こうして萩原さんを抱いている父が存在する。
何とも言葉にしにくいこの感覚は、まったく関係のない私たちも共有することができる。
夢幻泡影という名に相応しい作品ではないでしょうか。
自宅にあったという古いネガをスキャンし、現像しています。
かつてそこにあった現実は記憶にはなく、こうして夢幻となって蘇りました。
儚いがゆえに強く記憶に残る写真作品。
続いてはアルゼンチン出身の清水エリオさんの作品です。
何気ない風景の一角に、そこにあるはずのない物が浮かび上がる。
白昼夢のような不思議な写真。
何気ない日常の風景に落とし込んだことで、夢幻泡影を体感することができます。
松坂 超さんの作品。
抽象的である夢を具体的に表現すること自体に疑問を覚え、
作品そのものが抽象表現となっています。
一部に身体の一部である手や、耳、目などが確認できますが、
どれもぼやけていて現実のそれとは程遠い印象です。
それぞれの作品が相互作用的に関与し、ひとつの作品となっています。
紙の大きさも並び方もまばら。それが松坂さんの夢幻泡影を具現化した形なのです。
写真学校の学生さんの展示は多くないのが現実ですが、
やはり専門にしているだけあって興味深い展示内容でした。
今後の活動に期待が膨らみます。
chida