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STORY


まるこさん、なつみさん
二人のイラストレーターによるイラスト展
" STORY "
WEST : ART POCKET にて開催中






「童話」をテーマにした彩り豊かな作品が
白色の壁面の上に並んでいます。





あなたも、みんな知っている童話が
二人のイラストレーションを経て、再構築される。
丁寧なアートワークの一部をご紹介します。


" SNOW WHITE "

まるこさんの作品は
キャラクター、事物の棘が削がれていて、
ふと触ってみたくなる魅力がある。

数ある童話の多くは、悲しい出来事を中腹に抱えているのだけど
そんな悲しさの表面にある棘さえも抜いてしまうかもしれない。


" LITTLE RED RIDING HOOD "

衣装からもわかるようにこれは「あかずきん」の童話より
森の小道をとことこ歩いて
おばあさんの家に向かうあかずきん
の上に獰猛な(はずの)狼がごろん、している。

狼はおばあさんを丸呑みにしてしまうはずなのだけど
あたたかい気候の誘惑に負けて、
誰も食べることなく、昼寝をしてしまうかもしれない。
それはそれは平和な一日に。




なつみさんの作品も同じく「童話」をテーマに制作されています
こちらの作品は、ドクロマークがうっすらすけるリンゴを手にする、
白雪姫ですね。

男性は女性を食事に誘うとき、
ハンバーガーなどの口を大きく開かないといけない食べ物はNGだと
どこかで聞いたことがあります。

白雪姫は小さな口を控えめに開いて、
大きなりんごの端に歯を立てる。
甘みも毒も湛然に味わうように。




 もう一枚、なつみさんが描く「白雪姫」をご紹介します。

タッチが突然かわってびっくり。
二頭身から等身大へ。

一つの画面の中で、
物語を構成する複数の要素を同時に展開させている。
ふくらんだスカートの裾からこぼれるリンゴの赤みと
舞台の青さとの対比が美しい。




向かい合う二人の女性は外見は違えど同一人物である。
「人魚姫」

地上で生きる人間と
海中で生きる人魚。

同じ生物ではあるけども、
そこには生死をわける大きな隔たりがある。

そうでなくとも、人魚の半身は人間にそっくりなのである。
興味を抱き、水面より手を伸ばそうとするのは自然であろう。

澄み切ったこの海に溶けた彼女の想いは
どこか行き先を見つけられたのか?

そんなことを、作品を眺めつつ、思い返した。
もう10数年前に見た映画のこと。

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まるこ、なつみ『STORY』
開催期間:2014.6.27 - 2014.6.29

(ぱんだ)