「メンヘラ」という言葉は造語です。精神の健康を差す言葉「メンタルヘルス」から派生し、疾患を抱えている人を差すerをつけて(例えば安室奈美恵→アムラー、篠原ともえ→シノラーといったところでしょうか)「メンヘラ」だそうです。
今回の展示タイトルになった「メンヘラ展」。アウトサイダーアートでもなく、アートセラピーでもなく、アールブリュットでもない。「メンヘラ」という各個人が抱えているものを表現する事で、疾患をどのように捉えているか、捉えられずにいるかその多様性を見せたかったそうです。また、表現として社会へ表出することでネットから派生した事象が社会と繋がりうると、うにさんは考えました。
メディアも映像、写真、インスタレーション、絵画、書等様々です。
9歳から疾患と共生している方の映像作品。淡々とストーリーが展開していきます。
「存在することは知覚されることである」哲学者ジョージ・バークリーの言葉が添えられています。
出展者されている方が在廊していると来館された方が、「実は自分も疾患を抱えている。」と打ち明けられ話をする場面も多々あったそうです。
連日たくさんの方が来館されていました。
見た目には現れていなくても実は問題を抱えている人が多いのではないでしょうか。
出展されている人同士の実際に対話することを大切にして、今後も場や人をかえて「メンヘラ展」を継続していく予定です。
何を基準に適合と判断されるのか、異常と判断されるのか。その境界は曖昧です。
疾患を抱えている人が体とどう向き合っているのか、受け止めきれていない人もいます。答えは簡単に出る事象ではないけれど「メンヘラ展」を通じて鑑賞者も制作者も問い続けていくのではないでしょうか。
DFG 上園