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高橋美帆・松本結加 展



横浜美術短期大学専攻科絵画クラスを修了された
高橋美帆さん、松本結加さんによる二人展

テーマは「 無機物の中の有機物 





" さようならのはなし "
(作品一部)

ご自身の制作場所でマネキンを横たわらせて、
キャンバスに向かう高橋美帆さんの写真が、
会場に置かれたファイルにありました。

たぐり寄せるかのように。
厚い胸元に両掌を添えて。
生活の中に実在するマネキンを元に描かれるワンシーンは、
作られた情景、突如訪れた日常のいずれにも当てはまる。


" きみのいる部屋 "

三本の線は三つ面と一つの空間を作る。
三面はそれぞれ異なる色の肌を持ち、
それは部屋の個性と部屋での痕跡。


" だれかいた "

"だれかいた"のであれば今はだれもいない。
"きみのいる部屋" の流れで今作も眺めると、
"だれかいた" 場所は、
一つの部屋なのではないかと思ってしまう。

壁があって、柱があって、床があって、天井があって。
安心できる、密室、逃げられない場所。

誰がいて、何をしていたのか。


" つたうひび "

言葉を大切に扱っている、松本結加さんの作品。
「日々」でもあり「ヒビ」でもあるのではないか。

細かな亀裂、ヒビに苛まれながらも、
延々と流れ続ける日々を過ごすこと。





肌寒い食卓に並べられたカトラリーと皿。
召し上がれと差し出された向日葵は、
「私はあなただけを見つめる」
そんな花言葉を、目を逸らさず口ずさむ。


" Andante Cantabile "

(歌うようにゆるやかに)と名付けられた。
豊かな平面上に置かれた五つのアイテム。

色鮮やかなネイルジェル。
床面と同色を映すスマートフォン。
花のモチーフが付いた鍵。
シンプルなブローチ。
履き慣れたパンプス。

タイトルのように、生きる、生活をするために
彼女には欠かせないものなのかもしれない。

そう考えていたら、この作品は、
棚の引き出しそのものであるように思えた。


" つなぐひび "

一作品挟んでのご紹介となりますが
「つたうひび」の横に飾られた作品。

情熱的な色とまではいかず、
沈んだ色合いの薔薇。

その光景にふと時間を奪われるが、
食卓に並んでいるのだから何時かは食べるのだ。

この二本のカトラリーを使い、
どのような作法で食べれば良いのか。
フォークで突き刺し、口に運ぶ様だけは
想像できるのが不思議。

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今展示会は本日 12/8(sun)17:00 までの公開です。
是非お早目にご来場ください。

(ぱんだ)