路上に面したEAST 102では、現在「糸」をテーマにしたインスタレーションが行われています。
糸をが巻かれたアクリル板が、並び、積み上げられています。
一つひとつの作品の強度が高く、配置の仕方も洗練されています。
「35年も創作してきましたから」とこまつさんは語ります。
初めは具象も描いていたこまつさんですが、二十数年前から現在のモチーフである「糸」を表現し続けています。
今回は実際の糸が中心ですが、過去作品の記録を見ると、膠や蝋、アクリルを使った表現などでも「糸」が表現されています。
どこを切り取っても、佇まいが美しく、絵になります。
長年続けてきたことによる、揺るがない軸が、作品のどこからでも感じられるのです。
「また作品は変わっていくと思う。糸というコンセプトは変わらないけれど、これから二年くらいかけて、やってみたいことがあるんです」ともおっしゃっていました。次回の展示はいつになるのか、どういうものになるのか、観てみたいですね。
こちらの作品は、「時の痕跡」を表現したもの。
糸を巻いていって、ただ過ぎ去った痕跡だけが積み重なっていく。それは実感はあっても、すでに存在しないもの。
展示は明日までになります。
事情によりこまつさんは会場にはもういらっしゃいませんが、この作品空間の厚みと痕跡を、一人でも多くの人に体感して欲しいです。
DF STAFF KOZUE