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890 『服の寄り道 展』 [303:8/14-8/16]

去年も展示していた890による、「服の寄り道」展です。

去年のblogはこちら
四人の展示なのですが、一人昨日で搬出してしまったので、三人のみの紹介になってしまいました。

こちらは、空気で膨らませるエアーきぐるみに着想を得た服です。

普通に着るとこんな感じ。

空気を入れるとこうなります。


こちらは、七夕。
松本在住の作家さんの作品です。
松本では、旧暦に従って今が七夕。昔から「来年も良い服が着れます様に」と小さな服や紙で作った服を飾るそうです。一般的なお店に服が飾ってある写真が、会場内にありました。

短冊の染められた布も美しいです。

「服はコミュニケーション」

一見普通に見える(作家さん談)服ですが、かなりこだわって作られています。襟元やひとつひとつ違うボタンもそうだし、ポケットの布が変えてあったり、普通と違う場所で縫ってあったり、右と左で模様がずらしてあったりします。(ドットをよく見て下さい。右が真っすぐだとしたら、左は斜めになっています)

買った人がじわじわと「あれ、なんか違うぞ」と服と対話する。
そして、着ている人と周りの人の話題の一つ、或いは会話のきっかけになる可能性もある。

服だけではなく、布で作った短冊も、この展示それ自体もコミュニケーションツールとして機能しているので、彼にとっては全部「服」なんです。



そしてこちらは、裂折(さきおり)。
裂折に関してはこちらを参照下さい。簡単に言えば、リサイクルです。いらなくなった服等を解体して、折っていく。量産が出来ないため、生産ラインにのらないテキスタイル。


規範から逸脱したい思いで服飾の道に進んだものの、結局は伝統や定説があり、なかなか自由にはやらせて貰えない。そして卒制がなかなか決まらない折りに出会ったのが、これだったそうです。

こちらが卒制の作品。四角あるいは三角に切った布のみを使用しています。縮めたり、寄せたりして表情を作っています。

服が大好きで、だからこそ服のカウンターを行っている彼らは、学生時代よく「なんでそんなの作るの」と怒られていたのだとか。そんな「服の寄り道」はまだまだ続きます。

「このまま年に一度くらいのペースでやっていきたい。」
来年はどのような展示になるのか、今から楽しみです。

DF STAFF KOZUE