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板倉 玲



こちらの作品タイトル、おわかりになりますか?

めあて

三文字の言葉を元に、
目に見える 人の行動/現象
目に見えない 精神状態や邪な欲求
その二種類の情景を一枚の絵画に落とし込む。

板倉 玲さん 個展 『第三回さんもじ大会』





" へるぷ "
( キャンバス/油彩/P10号 )


一枚目の作品とタイトルの両方を知ったとき、
その方向性をなんとなく理解出来るのではないだろうか。

しかし、描かれた対象/モチーフが観覧者と向き合うスタンスは
至って真面目。悪戯心があったとしても、そうは受け取れない。

冷静に、そうなんでしょう、と語る。




" ここち "
( キャンバス/油彩/P10号 )

タイトルと情景は程よく現実的に着地するから、
第一に、私たちは安心を得ることが出来るのだろう。
しかし、次の一歩を踏み出すときに、
そこにある継ぎ目/亀裂に気付く。

それはすり足でなければ見落としてしまうような、
些細なとっかかり。






板倉さんの作品には、衣服を纏わない人物が多く登場する。
物理的に無防備な状態は、無防備な精神状態にもなり得る。

しかし、その姿は、身軽で、開放的。

そして、実は私たちが本当にリラックスできる状態であるときの姿、
でもあったりする。




販売物であるポストカード一つ取り上げても、
人の多様性といいますか、
思考の深みにはまってしまうと、
人はどこまでも濁り水のように再現なく
不透明さを増してゆく。


改めて、「三文字の言葉が起点」であることを思い返して。
このどろどろした人物のイメージは、
絵具によって表現/形作られているのだと。


(ぱんだ)