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森田一義 『カズ展 Ⅱ』 [1-D:5/3-5/5]

 カズ展Ⅱが始まりました。

去年も同じスペースで、同じ頃に初個展が行われました。
(去年の様子はこちら

今年もたくさんの絵が飾られていますが、全部去年の個展が終わってからの一年で描いたものだそうです。
相変わらず、電車の中で絵を描く毎日。(昼休みや家で描く、塗る部分もありますが)

この辺は、前回の展示のテイストに近いです。無心でひらすら描く、塗る。
ただ、前回の個展が一つの区切りとなり、だんだんと意識が変わっていったそうです。

そして、ある日描いたミジンコ。
以前に比べると、無心で描いていた線が洗練され、余白が作られています。そして、水彩で塗られた透明感。




瞑想という言葉には、瞑(meditation)と想(concentration)に分かれるそうです。私がカズさんの話を聞いて解釈したところによると、極限まで削ぎ落としていくのが瞑、その極限を元にして限りなく広がって行くのが想、なのだそうです。去年の個展で出したのが瞑で、今回は想なのだそうです。

例えば自分が生まれたとき、例えば宇宙の創造、活動的なエネルギーのせめぎ合いの中で、様々なものがぶつかり合い、世界は色とりどりに輝いていました。何も描いてない紙にペンを走らせて 作品が出来上がること、真っ白な紙の上に無限に世界が輝き広がることも、宇宙の創造に等しいのではないでしょうか。カズさんがしていることはそれなのだそうです。

スペース内でも絵を描いています。

これが上の絵の細部です。
大胆なカーブを描く線、太くかすれる線、細く緻密で繊細な線など、意図的に線の使い分けが行われています。

今後は線のみの絵も描いていきたいとおっしゃっていました。「墨に五彩あり」(作者の力量で墨一色でも多くの色を感じさせることが出来る)という言葉があるそうです。そういう一色で多彩さを表現する方向と、白と黒のみをひたすら追求する方向との、両方を視野に入れているそうです。

個展の準備が落ち着いた、ここ一週間程で描き始めた絵。また、新たな引き出しが増えていっているようです!この絵はほぼペンのみ。時々金と銀のクーピーで塗る程度。「絵具や色鉛筆を持ち歩かなくていいので楽」だそうです。

来年も個展をやりたいと、すでに考えているのだとか!

「今までは無心で描いてきて、手を動かすことがただ楽しくて仕方なかった。今は考えてしまうこともあり、楽しいだけじゃない。でもその分、出来上がった時の喜びは以前よりずっと大きい。」

来年はどんな心境で絵を描いているのでしょうか。

http://artkazu.com/

DF STAFF KOZUE