前回の展示は12月。あまり時間が経っていません。
「テーマを決めたのは前回の展示の打ち上げ時。原宿のさくら水産で。」
続けて行く為に、テンションが途切れないように、終わったらすぐ次を決めてそれに向けて制作をしていくそうです。
今回のテーマは「浮かぶ穴」。
造語だからこそ固定のイメージがなく、ポジティブにもネガティブにも、重さとも空虚とも取れる言葉です。実際今回は前回の「点」以上に解釈が分かれたように感じます。作品によって解釈を変えて作っている人も。一つ一つの作品それ自体だけではなく、そういうおのおののテーマの解釈の多様性も楽しめる展示となっています。
ちょっとした発言から、井上さんがどれだけ日々言葉や文章と真摯に向き合っているか、大切にしているかをひしひしと感じます。
群衆、酒瓶という賑やかさを感じさせる言葉をちりばめながら、逆に空虚さや孤独を浮き彫りにしています。それもたった31字で。巧い。
これは大熊さんが上の句を書き、田中さんが下の句を読んだもの。
こういうことが出来るのって、そもそもすごいと思うんです。信頼関係や相手の力量への期待なくしては、下の句を委ねることなんて絶対に出来ない。曖昧な〜で始まる上の句だけ読むと、ポジティブな解釈も可能。そこで「不協和音と 弾けた期待」と続く。「そうくるか」と思ったんですよね。良い意味で期待を裏切られたような感覚と読後のやや重い余韻がじんわりと気持ちよい詩。
『ちっぽけな嘘をついてるときにだけ君の言葉に副詞がふえる』
捉え方が鋭い。そして、普段から「君」のことを良く観察していることが伺えて、二人の関係を想像してしまいます。
冊子。
今回のものだけではなく、以前のものもあります。展示を見て、気に入ったら持ち帰って家でもじっくり楽しめます。
「文章はどう見てもらうか、読んでもらうかが難しい。だから文章量や文字の大きさ、改行、行間にも気を使います」と井上さん。読んでもらう為の、足を止めてもらう為の入り口をどう作るのかが、文章だと本当に難しいと思います。
また、互いの作品を見てメンバー同士で話をする姿をみて、仲間と一緒にやる意義を強く感じました。
さて、次はどんなテーマを展開してくれるのでしょうか。
楽しみでなりません。
http://ospetemln.xxxxxxxx.jp/
webでも今までの展示の作品が見れ(読め)ますので是非に。
DF STAFF KOZUE