昨年八月にもグループ展が行われました。
東京家政大学在学グループ "アンジタテ" 所属
かどたじゅんこさん / 川口奈菜さん
今回は 抽象画 を展示。
かどたじゅんこさん
天井付近から降ってくる光を
少したくわえて、少し押し戻す。
程よいやさしさを持つ作品たちの中に、
随所に断片的な形ある記憶。
すりガラス越しの情景のようだ。
私と作品との間にフィルターがさし込まれており、
作品の直視を拒まれる。
この拒み方は拒絶とは違う。
言葉にするなら「どうせ」
綺麗な情景も、未知の光景も、
平等に陰鬱な世界にとじ込めてしまう。
ここで言う 陰鬱 とは現実世界において直面する諸問題に似たもので。
夢の中で見た光景が、そのまま何事も介さず、表に出ることなどない。
太陽の光を受けて、黄金に輝く雲も、
その下に青い空があるから映えるもので、
その青い空は、私たちが目にする日常の現れ。
複数の層が一枚に収まろうとし、
混じり合い、起きたグラデーション。
私はこの情景に落ちてみたいと思った。
川口 奈菜さん
意味より形が突出している。
"先攻している" と言った方が近いかもしれない。
その特徴は、先制攻撃。
頭部を鈍器で殴られたかのような衝撃。
フリーハンド で描かれた線。
上下左右にたゆたう線。
一挙一動の揺らぎの細部にまで、
豊潤な情熱が注ぎ込まれている。
それは、意図の有無に関さず。
ビジュアルによる高い攻撃力を持ちつつ、
繊細/ナイーブな一面も細部に表れています。
この二点、拮抗させるのではなく、
互いを対比することで際立たせる構成であります。
盛り上がる、絵具で出来上がった地層。
私たちは表層しか知り得ないが、
削り取ることが出来るのならば、過去の事実も、
現象の成分情報をも手に出来るはず。
未だ知らぬ対象を知る手段、可能性がここにある。
それは イエス/ノー ではくくれないこと。
2月21日(木) までの公開となります。
(ぱんだ)