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ゆれる制服少女 展


ハシモトスズさん、知絵子さん、なかにし彩さん、ゆのさん
四人のアーティストによるグループ展 " ゆれる制服少女 展 "
雨の中、しっとりと、EAST : 303 の一室にて



[ 散歩に誘われました 「  」 ]

ボールペンとイラストボードを用いて、
時間と場所を旅する 制服少女を描いたハシモトスズさん。

キャラクター、アイテム、個々の配置には計算の形跡が見える。
一見塗りつぶしされたように見える黒の溜まりは、
幾千の線の折り重なった姿です。


ペンは軌跡が強く残るから、一つ一つの描写に神経をすり減らすことでしょう。
登場人物同士の関連性も手に取るようにわかる。
一枚の絵の中で、物語を端的に捉えきる。

制作中の様子さえも伝わってくるようで。


経験し難い物語さえも、こう見事に再現されたら、
すぐそこにあるのではないかと思ってしまう。



[ 透けそこない ]

透明水彩と瑞々しいモチーフを組み合わせて。
なかにし彩さん。
そこなう、損傷、悪化。
何にせよナイーブなネガティブ。

虚ろな少女とまんまるな眼を見開く金魚。
穏やかに泳ぎ、佇む、水草の間に。

ここでは冷たい事柄が、マイナスではなく、
ゼロにまで浮上している。



[ 紫陽花のかげで ]

闇の中のモノは決してブラックアウトすることは無く、
見えなくなっても、確かに、そこに在るのだ、と。
紫陽花の奥に沈んだ色が語りかけてくる。

半袖だから、夏季なのでしょう。
何年前だったか、夏の暑さもふと消え失せる、早朝などに、
この色を見た記憶があります。



私は、
朝露にまみれたガラス越しに少女を観ている、そんな気分で




[ 食べちゃっていいよ ]

知絵子さんの作品

しくしくと無く少女は、ラブレターを羊にあげてしまった。
彼女はそれを、渡せなかったのか、突き返されたのか。

見事なテンプレートぶり、ハート型の赤いシールや、
ラブレターを破り捨てるのではなく、餌にしてしまうところ等。

悲しみを食物に還元する光景を目の当たりにし、
エコロジーなシュレッダーだなぁと関心させられた。



[ ペンギンとポテトチップス ]

かの有名な、プ○ングルスを、
このように二枚くわえれば、
あなたもペンギンに早変わり。

最も気になるのは、
ペンギンがこの瞬間、何を考えているのか。
恐らく、隣の女子高生のことはアウトオブ眼中。



[ ほどく、 ]


部屋の一角にちりばめられたイラストの数々は、
ミクストメディア として、ひとつのまとまりを得る。

ゆのさんの作品/展示


A6 というこぶりな支持体の上には、
べったりと塗られた白と、

黒、灰色、赤 で浮き上がる少女。

余白の中にはおだやかな風が吹いていて、
彼女達を撫で、過ぎ去る。
風が流れるには時間が必要で、
僅かな時の中で眩く彼女たちは呼吸している。


タイトルをなぞるように、
胸元のリボンは一枚毎に違う形。

ほどく、 とタイトルは名付けられているけど、
" 結ぶ " 姿にこそ
最大の想いが込められている。

だから最後にこの一枚を選びました。

(ぼく、この方のust配信とか見てました。作家名かえられたんですね、びっくり)



四人の作品はとても穏やかで、

ざーざーという雨音。
自分の革靴が地面を叩く音。

日常の中でかき消されるほどの音たちが、
心地よく耳に残る。

作家それぞれのやさしい視点が
作品からあふれているから、
いい時間でした、ありがとうございました。

10月28日(日) までの公開です。

(ぱんだ)