楽器を描いているポールさんですが、それぞれの楽器は単独で存在し、音を奏でるでもなく静止している印象を受けます。ポールさんは自ら演奏もするそうですが、どちらかというとデザイナーとしての視線を(少なくとも絵を描く時は)楽器に注いでいるのではないでしょうか。
楽器を演奏するものという機能をさし置いて、デザイン性単独でも感動しているのではないでしょうか。
また、細かく見ていくと一つの楽器の中でもポールさんがどこで最も感動したのかが伝わってくるように思います。例えば上の絵だと、
どこよりもこの接続部分がはっきりと描かれ、丁寧に塗られています。ここの部分が目立つように、他の部分のデッサンはやや崩れ、色の塗り方もやや雑に行われている、そんな気がしてならないんです。そうすることによって、かの接続部分がより美しくより際立って見えてきます。
ポールさんの展示は、7/25までになります。
DF STAFF KOZUE