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木野 理花 『monochrome world~flower~』


EAST館1階、トイレスペースにて始まった写真展。

木野 理花さんによって撮影されたモノクロームの花々は、
しずかに、しずかに、白い壁面に咲き誇る。



花を知っていれば、その形から名前を知ることができるのでしょう。
モノクロから色を想像することができるのでしょう。

私はその名を知らないから、
褪せた色合いが全てであり、そのありのままを鑑賞します。



言葉は極力排除されている。

細かいディティールは光と影にかき消される。
もう、花のようには見えなくて。
それが呼吸しているように見えなくて。

首をきゅっと絞められて、
息の根を止められたものたちのよう。


ここは「排泄行為を行う場所」である。
いや、用途ではなく、空間として目を当てよう。

金銭を支払うこともなく、鍵をかけて、
プライベート空間として占有出来る場所、トイレ。

この部屋に入り込んで、他者との干渉を物理的に遮断して。
その安全地帯で、ふと飛び込んでくる花々。

色味が無い、少ない刺激/少ない情報量
温度を失いつつある情景は、
この場にあってあっているかもしれない。

2/11(Sat) までの展示となります。
ご来観の際は、是非ふらりと立ち寄って下さい。
忘れず鍵を閉めて、ご鑑賞を。


(ぱんだ)