バナーエリア

このブログを検索

デルタ 『デルタ展』その1


WEST : 1-A デルタ 『デルタ展』

赤川桜さんと浅井祐香さんによるアートグループ"デルタ"
コンパクトなスペースに遊び心をころんと投げ入れるような、
そのゆらゆら感がたまりません。

そして、今回は赤川桜さんの作品をご紹介します。



山を描くことに、一際強い想いを感じます。

彼女の作品は、暖気も寒気も受け入れる。
寒い気候の中でジャケットを着込んで星空を見上げたり、
こたつに入ってアイスを食べたり。

天候が著しく変動し得る山という強大な存在に対しても、
そのスタンスはあまり揺るがない。
それさえも、 ぽんっ と受け入れる。



山が山であることは変わらず。

強大な存在に対しても、
それに向き合う人々の向き合い方次第であると諭されるようで。
でも、その諭し方も、寝転がって、おせんべい食べながら言われてるようで。
僕もお茶をすすりながら、頷く。



写真では、大きな画用紙の中で生活する人々を切り取りました。
切り取って、そのフレームを1つの世界とするのもありで。
その全体を包括して、1つの世界とするのもおもしろい。

どちらにせよ、
私たちは彼女の作品に対して、傍観するしかなくて。
景観から何かを発掘するのではなく、
鑑賞により、じんわりと染み出してく感情を享受するだけなのです。


風景写真に彫刻刀で山を削ったように。
夜景に浮き上がるシルエット、記号。

雫が石に穴をあけるように。
それは表層に溜まりを作り、
後に、思考の奥底にまで染み渡る。

結果、観者が受け取るものは"答え"などではなくて、
曖昧、正に「なんとなく」なものでしょう。

「なんとなく」を楽しむ。
気軽で、心地よくて、気づけば繰り返してしまうような
不思議な魅力のある作品群です。


展示期間:12月04日(日) ~ 12月10日(土)

(ぱんだ)